制御と振動の数学/Laplace 変換/有理関数の原像/別法

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予告しておいたように,像関数を s で微分することは,原像に t をかけることに対応する.

公式 3

テンプレート:制御と振動の数学/equation

証明

テンプレート:制御と振動の数学/equations で項別微分すると, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.


よって補題2.3テンプレート:制御と振動の数学/equation の原像であることが分かる[1]

一般に,加法と乗法の定義された代数系があって,演算 T が, テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation なる形式を有するとき,T は微分演算と考えてよいのである.


例55

この公式 3を用いて公式 2を導け.

解答例

(1)

dds1(s2+β2)n1=2(n1)s(s2+β2)n

を念頭において,

1(s2+β2)n1fn1

公式 3を適用し,左辺を s で微分した場合,

2(n1)s(s2+β2)n(t)fn1

両辺を 2(n1) で割ると,(Laplace 変換の線形性による.)

s(s2+β2)nt2(n1)fn1

(2)

d2ds21(s2+β2)n1=dds(2(n1)s(s2+β2)n)
=2(n1)(s2+β2)n+4n(n1)s2(s2+β2)n+1
=2(n1)(s2+β2)n+4n(n1)((s2+β2)β2(s2+β2)n+1)
=2(n1)(s2+β2)n+4n(n1)(s2+β2)n4β2n(n1)(s2+β2)n+1
=4n24n2n+2(s2+β2)n4β2n(n1)(s2+β2)n+1
=2(2n1)(n1)(s2+β2)n4β2n(n1)(s2+β2)n+1

この原像は,

t2fn1=2(2n1)(n1)fn4β2n(n1)fn+1
4β2n(n1)fn+1=2(2n1)(n1)fnt2fn1
fn+1=14β2{2(2n1)nfnt2n(n1)fn1}
=12β2{2n1nfnt22n(n1)fn1}

これが求める結果である.

  1. t(f*g)=(tf)*g+f*(tg)
    より
    (t)(f*g)={(t)f}*g+f*{(t)g}