初等数学公式集/数と集合・論理/証明
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数の性質
数の体系
実数
無理数と有理数の和
- 無理数と有理数の和は無理数となることの証明
- 数が無理数、数が有理数であるとき、その和を有理数であると仮定、
- を移項して、
- 右辺は有理数となるため、仮定に矛盾する。
- 従って、は無理数であり、無理数と有理数の和は無理数となる(背理法)。
無理数の証明
- が無理数であることの証明
- が有理数であると仮定すると、互いに素である整数 を用いて、
- とおくことができる。
- 両辺、乗すると
- ここで、は、因数にを持つこととなるので、と置くことができる。
- これを代入すると、
- となって、も、因数にを持つこととなる。
- これは、は「互いに素」であるとした仮定に矛盾する。
- 従って、は有理数ではない(=無理数である。背理法)。
- ある有理数 が分母・分子ともに整数の乗でないとき、 が無理数であることの証明
- 考え方は、上記: が無理数であることの証明と同様である。
- が有理数であると仮定すると、各組で互いに素である整数 を用いて、
- とおくことができる。
- 両辺、乗して、
- ここで、右辺のはと互いに素であるため、を因数にもつのはになるので、と置くことができる。
- これを代入すると、
- となって、も、因数にを持つこととなる。
- これは、は「互いに素」であるとした仮定に矛盾する。
- 従って、は有理数ではない(=無理数である)と証明された。
- 「有理数 がともに有理数の平方数でないならば は無理数である。」ことの証明
- として は有理数であり、 は有理数の平方数ではないと仮定する。
- 両辺2乗して
- となり、有理数 について、この式が成立するならば は平方数であり仮定に矛盾する。
二重根号
- となる () を求める。
- となり、以下の連立方程式を解くことにより、 は得られる。
- これを解くと、
記数法
小数
- 分数(ただし、(は整数))において、進法で表示する時、のすべての素因数が、基数の素因数に含まれる時、は有限小数となることの証明
(前提)
- は有限小数となることは、が整数であるのでが有限小数であることを証明することで足りる。
- が有限小数であるということは、 のように、が ( は である整数)の有限個の和で表すことができるということであるので、これを証明する。
(証明)
- を素因数分解すると、( は、を構成する素数で 番目のもの、 は の次数とする)となり、
- 同様に、を素因数分解すると、( は、を構成する素数で 番目のもの、 は の次数)となるとする。
- ここで、すべての について (ただし、[1]) であるとする(すなわち、のすべての素因数が、基数の素因数に含まれる)。
- この時、( の最大値 < )となる適当な を取れば、 は整数となり、 の形で表される。
- 分数(ただし、(は整数))において、進法で表示する時、が有限小数であれば、のすべての素因数が、基数の素因数に含まれていることの証明
※前提は共通
(証明)
- が有限小数で、 ならば、両辺にをかけると、 となる。
- 右辺は整数となるため、 も整数となり、 は、 の約数となり、のすべての素因数は、基数の素因数に含まれる。
脚注
- ↑ となることがあることを意味する。集合論的に表すと、