高等学校数学III/積分法/演習問題

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第1問

次の不定積分を計算せよ。

(1) (13x33x2+1)dx

(2) x+5x4+10x39x2250x400dx

(3) sin2xcos3xdx

(4) tanxdx

(5) logxdx

(6) x1+x2dx

(7) 21+x2dx

(8) x2xdx


第2問

次の定積分を計算せよ。

(1) 49(x213x+36)dx

(2) 01x343x2dx

(3) 141+xdx

(4) 02π3cos22xdx


第3問

水でいっぱいの半径rの球状の容器の最下端に小さな孔を開ける。水が流れ始めた時刻を0とし、時刻0から時刻tまでにこの孔を通って流出した水の量をf(t)、時刻tにおける孔から水面までの高さをyとすれば、yf(t)の関係は正の定数aを用いてdf(t)dt=ayと書けるという。


(1) 水面の降下する速さが最小となるのは、yがどのような値をとる時か。

(2) 水が流れ始めてからyが(1)で求めた値となるまでに要する時間を求めよ。


第4問 

ある惑星から鉛直に初速v0で打ち上げられた宇宙船がある。惑星の半径をR、惑星表面での重力加速度をgとする。また、宇宙船には惑星の中心からの距離の平方に反比例する引力(比例定数G)が働いている。

(1) 惑星の中心からの距離がrの場所に宇宙船があるとき、宇宙船の速度vは以下の式を満たすことを証明せよ。

v2=2gR2r+v022gR

(2) (1)の関係式を用いて、宇宙船が再び惑星に戻ってこないようにするための初速v0の条件を述べよ。

解答

第1問

積分定数をCとする。

(1) (13x33x2+1)dx=112x4x3+x+C

(2) x+5x4+10x39x2250x400dx=1(x+2)(x5)(x+8)dx=1546(13x+2+6x5+7x+8)dx=1546(13log|x+2|+6log|x5|+7log|x+8|)+C

(3) sin2xcos3xdx=12(sin5xsinx)dx=110(5cosxcos5x)+C

(4) tanxdx=tanπx180dx=180πlog|cosπx180|+C

(5) logxdx=12logxdx=12(xlogxx)+C

(6) t=1+x2と置換するとdt=2xdxなので、

x1+x2dx=12dtt=12log|t|+C=12log(1+x2)+C

(7) t=x+1+x2と置換するとdt=t1+x2dxなので、

21+x2dx=2tdt=2log|t|+C=2log(x+1+x2)+C

(8) x2xdx=x2xlog22xlog2dx=x2xlog22x(log2)2+C=2x(xlog21)(log2)2+C

第2問

(1) 49(x213x+36)dx=(94)36=1256

(2) t=43x2と置換するとdt=3xtdxなので、

01x343x2dx=1219(t4+4t2)dt=1135[3t5+20t3]12=47135

(3) t=1+xと置換すると4t(t21)dt=dxなので、

141+xdx=234(t4t2)dt=415[3t55t3]23=8(632)15

(4) 02π3cos22xdx=02π32(1+cos4x)dx=38[4x+sin4x]02π=3π

第3問

(1) 水面の高さがyのとき、水面は面積π(2ryy2)の円なので、dfdy=π(y22ry)である。 よって、合成関数の微分公式dfdt=dfdydydtより

dydt=dfdtdfdy=ayπ(y22ry)

である。yは時間とともに減少することに注意すると、水面が降下する速さは

v=dydt=ayπ(2ryy2)

である。これが最小になるようなyを求めればよい。yで微分すると

dvdy=ay(3y2r)2π(2ryy2)2

なので、vが最小になるのはy=2r3のときである。

(2) 逆関数の微分公式より

dtdy=π(y22ry)ay=π(yy2ry)a

なので、求める時刻は

2r2r3π(yy2ry)ady=2π15a[yy(3y10r)]2r2r3=16r22rπ(923)135a

である。

第4問

(1) GR2=mgより、G=mgR2である。よって、惑星表面から、中心からの距離がrの場所まで移動する際、宇宙船が惑星の引力から受ける仕事は

RrGx2dx=RrmgR2x2dx=[mgR2x1]rR=mg(R2rR)

である。よって力学的エネルギー保存則より

12mv2=12mv02+mg(R2rR)

なので、整理して

v2=2gR2r+v022gR

を得る。

(2) 任意のrに対してv2>0であればよい。v2rについて単調減少なので、

limrv2=v022gR0

であればよい。すなわち、

v02gR

であればよい。