解析学基礎/双曲線関数

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双曲線関数

双曲線関数とは、次のような形の関数のことです。

sinh x=exex2,  cosh x=ex+ex2

「sinh」は「ハイパーボリックサイン(hyperbolic sine)」、「cosh」は「ハイパーボリックコサイン(hyperbolic cosine)」の略です。

性質

双曲線関数には、次のような性質があります。いずれの性質も、exの性質に従って計算すれば簡単に証明できます。

  1. cosh2 x − sinh2 x = 1
  2. sinh(α+β) = sinh α cosh β + cosh α sinh β
  3. cosh(α+β) = cosh α cosh β + sinh α sinh β
  4. ddxsinh x=cosh x
  5. ddxcosh x=sinh x

どの性質も、三角関数にとてもよく似ています。このようにとてもよく似た性質を持つことが、三角関数と似た記号を使う理由です。

単位円の上の点の座標は、三角関数を使って(x,y)=(cost,sint)と表すことができました。1番の性質から、双曲線関数を使うと双曲線の上の点の座標を(x,y)=(cosht,sinht)と表すことができることがわかります。

使いかた

置換積分の計算をするときに、三角関数を使うと便利なことがありました。例えば、

011x2dx

x=sintという置換によって

0π/2cos2tdt

という簡単な積分に帰着できました。双曲線関数でも同じようなことができます。例として

011+x2dx

という積分を計算してみましょう。まず、x=sinhtと置換すると

0log(1+2)cosh2tdt

となります。ここから先の計算でも三角関数と同様な公式が使えますし、あるいは直接指数関数の積分として計算してもかまいません。計算してみましょう。答えは

2+log(1+2)2

です。