制御と振動の数学/Laplace 変換/定積分の計算への応用/tの非整数べきのLaplace変換

すでに導いた公式 テンプレート:制御と振動の数学/equation において，$n$ を自然数から正の実数に拡張することを考えよう．そのため，階乗 $(n-1)!$ の拡張であるガンマ関数を導入する．

公式4 テンプレート:制御と振動の数学/equation とおけば テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation が成立する．$\mathrm{\Gamma }(\lambda )$ をガンマ関数という．

証明

定義式に対して部分積分を実行する． テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation また， テンプレート:制御と振動の数学/equation $\mathrm{♢}$

この結果から， テンプレート:制御と振動の数学/equation であることが分かる．事実， テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation

このガンマ関数を用いれば，冒頭の公式は テンプレート:制御と振動の数学/equation と書ける．この形式は $n$ を正の実数 $\lambda$ に変えてもそのまま成立する．

公式5

特に，$\lambda =\frac{1}{2}$ のときは $\mathrm{\Gamma }\left(\frac{1}{2}\right)=\sqrt{\pi }$ で，

となる．

証明

テンプレート:制御と振動の数学/equation において，$\tau :=st$ とおくと， テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation また $\lambda =\frac{1}{2}$ のときは， テンプレート:制御と振動の数学/equation において，$\tau :=\sqrt{t}$ とおけば $t^{-\frac{1}{2}}dt=2d\tau$ であるから， テンプレート:制御と振動の数学/equation $\mathrm{♢}$

いささか循環論法めくが，この公式を利用して， テンプレート:制御と振動の数学/equation を導こう．

テンプレート:制御と振動の数学/equation とおいて Laplace 変換すると， テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation この原像は， テンプレート:制御と振動の数学/equation $t=\alpha$ とおけば，求める公式が得られる．この誘導はインチキであるが，辻褄があっているという気休めにはなるであろう．

$\mathrm{♢}$