中学数学3年 三平方の定理

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三平方の定理

定理

直角三角形の斜辺を 辺c として、残る直角をはさむ二辺を 辺a および 辺b とした場合に a2+b2=c2 となる。

(証明)

図のように直角三角形 ABC を4つ適切な位置に配置すると、 一辺の長さを a+b とする正方形 EFGHをつくる事ができる。

このとき、正方形 DBAE の面積は、正方形 EFGH の面積から、直角三角形 ABC の面積4つぶん を差し引いた面積に等しい。

したがって

c2=(a+b)212ab×4
=(a2+2ab+b2)2ab
=a2+b2

よって

c2=a2+b2

(証明 おわり)


重要

三平方の定理

直角三角形の直角をはさむ2辺の長さを a,b とし、斜辺の長さを c とすると、次の関係が成り立つ。

c2=a2+b2

この定理を証明したのは古代ギリシアの数学者ピタゴラスであるとも言われているので、この定理は「ピタゴラスの定理」ともいう。


古くから知られている定理なので、証明は数多く知られているが、上に挙げたのは有名な証明の1つである。他にも初等的な証明がいくつもあるので、自分で考えてみるとよい。

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定理の応用

正方形の対角線

正方形があるとして、その一辺の長さを 5 cm だとする。

この正方形の対角線の長さを求めたい。


求めたい対角線の長さを x cm とすると、

x2=52+52=25+25=50

であり、xは正なので x=50=52×2=52 である。

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正三角形の高さ

三平方の定理を応用すると、正三角形の高さを求めることができる。

例題

右の図のような正三角形の高さ h を求めよ。


(解法)

正三角形 ABC の頂点Aから底辺BCに垂線AHをおろすと、図のように、点HはBCの中点になる。


なので、まずBHの長さは 1cm である。


すると三平方の定理より、

22=12+h2

なので、移項して h について まとめると、

h2=2212=3

であり、長さ h は負にならないので h>0なので

h=3

である。


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まとめ

上記の2つの例題により、

45°, の角度をもつ直角三角形の3辺の長さの比は、図のように、

1:1:2

の比率になることが分かる。

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同様に 30°, 60° の角度をもつ直角三角形の3辺の長さの比は、図のように、

1:3:2

の比率になることが分かる。


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いろいろな公式

  • a2=c2b2
  • b2=c2a2
  • a=c2b2=(c+b)(cb)
  • b=c2a2=(c+a)(ca)
  • c=a2+b2


定理の逆

3つの数 a,b,ca2+b2=c2 を満たすとき、この3数を辺の長さとする三角形は直角三角形である。

これにより、たとえば辺の長さが 3,4,5 の三角形は直角三角形となる。 なぜなら、 32+42=52 だからである。
このように、a2+b2=c2 が成り立つ自然数の組(a,b,c)を、ピタゴラス数という。 ピタゴラス数には、ほかにも(5,12,13)(8,15,17)(7,24,25)などがある。他にも探してみよう。

発展

この「三平方の定理」は、高校数学Ⅰで学習する 余弦定理(よげん ていり) に角度 90°を代入した形になっているので、三平方の定理を用いずに余弦定理を示しておけば、三平方の定理の別証が得られる。

(参考)余弦定理

三辺 a・b・c があり、bc の対角を ∠A とする。この時、
a2=b2+c22bccosA
が成り立つ。