制御と振動の数学/第一類/複素数値関数の Laplace 変換/Laplace 変換/指数位の関数

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さて一般に,[f(t)] が存在するための十分条件は,導入章にも言及しておいたように, f(t) が次の関係を満たすことである.すなわち t が十分大きいところで, テンプレート:制御と振動の数学/equation となることである.このとき f(t) を指数 α 位の関数ということは前にも述べた. α を特に意識する必要のないときは,α を省略して呼ぶことにする.

例93

f(t) が指数位の関数であるとき,Re f(t)Im f(t) も指数位の関数であることを示せ.

解答例

f(t)=g(t)+i h(t),g(t)h(t) は実数を定義域とした実数値関数とすると,

|f(t)|={g(t)}2+{h(t)}2Meαt
1eαt{g(t)}2+{h(t)}2M
{g(t)eαt}2+{h(t)eαt}2M

この式が成立するためには {g(t)eαt}{h(t)eαt} の両方が有限の値に収束しなければならない.
すなわち,g(t)=Re f(t)h(t)=Im f(t) の両方が指数位である必要がある.



f(t) が指数位 α の関数であるとき,Re s>α に対して, テンプレート:制御と振動の数学/equation が存在することは明らかである.事実, テンプレート:制御と振動の数学/equation で,σ>α のとき, テンプレート:制御と振動の数学/equation であるから,複素数値関数の基本的性質から [f] の存在が保証されるのである.



例94

tneαt(α𝐂) は任意の n に対して指数位の関数である.

事実, テンプレート:制御と振動の数学/equation であるから,β>Re α,t>0 のとき[1]テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation したがって tneαt の Laplace 変換が存在する. テンプレート:制御と振動の数学/equation であるから,Re s>Re α ならば,T のとき, テンプレート:制御と振動の数学/equation これを逐次繰り返すことによって, テンプレート:制御と振動の数学/equation を得る.



補題 4.2 f(t) が指数位の関数ならば 0tf(τ)dτ もそうである.

証明

複素数値積分の基本的性質式 (4.10) により,t>0 のとき, テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation ここに,M1:=Mα である.

  1. β𝐑