「初等数学公式集/数と集合・論理/証明」の版間の差分

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(相違点なし)

2025年3月3日 (月) 19:06時点における最新版

数の性質

数の体系

実数

無理数と有理数の和
無理数と有理数の和は無理数となることの証明
aが無理数、数bが有理数であるとき、その和cを有理数であると仮定、
a+b=c
bを移項して、
a=cb
右辺は有理数となるため、仮定に矛盾する。
従って、cは無理数であり、無理数と有理数の和は無理数となる(背理法)。
無理数の証明
2 が無理数であることの証明
2が有理数であると仮定すると、互いに素である整数 p,qを用いて、
2=pq とおくことができる。
両辺、2乗すると
2=p2q2
2q2=p2
ここで、pは、因数に2を持つこととなるので、p=2rと置くことができる。
これを代入すると、
2q2=4r2
q2=2r2
となって、qも、因数に2を持つこととなる。
これは、p,qは「互いに素」であるとした仮定に矛盾する。
従って、2は有理数ではない(=無理数である。背理法)。
 
ある有理数 a が分母・分子ともに整数のn乗でないとき、x=an が無理数であることの証明
考え方は、上記:2 が無理数であることの証明と同様である。
anが有理数であると仮定すると、各組で互いに素である整数 {b,c},{p,q}を用いて、
bcn=pq とおくことができる。
両辺、n乗して、
bc=pnqn
bqn=cpn
ここで、右辺のcbと互いに素であるため、bを因数にもつのはpになるので、p=brと置くことができる。
これを代入すると、
bqn=bncrn
qn=bn1crn
となって、qも、因数にbを持つこととなる。
これは、p,qは「互いに素」であるとした仮定に矛盾する。
従って、anは有理数ではない(=無理数である)と証明された。
 
「有理数 a,b がともに有理数の平方数でないならば a±b は無理数である。」ことの証明
a±b=p として a,b,p は有理数であり、a,b は有理数の平方数ではないと仮定する。
±b=pa
両辺2乗して b=p22pa+a
a=p2+abp となり、有理数 a について、この式が成立するならば a は平方数であり仮定に矛盾する。
二重根号
a±b=(p±q)2 となる p,q (p>q) を求める。
(p±q)2=p+q±2pq=p+q±4pq=a±b
となり、以下の連立方程式を解くことにより、p,q は得られる。
{a=p+qb=4pq
これを解くと、
{p=a+a2b2q=aa2b2

記数法

小数

分数ab(ただし、ab0,akb(kは整数))において、n進法で表示する時、bのすべての素因数が、基数nの素因数に含まれる時、abは有限小数となることの証明

(前提)

  • abは有限小数となることは、aが整数であるので1bが有限小数であることを証明することで足りる。
  • 1bが有限小数であるということは、1b=c1n+c2n2++cknk++cmnm のように、1bcknk (ck0ck<n である整数)の有限個の和で表すことができるということであるので、これを証明する。

(証明)

bを素因数分解すると、b=p1α1p2α2pkαkpk は、bを構成する素数で k 番目のもの、αkpk の次数とする)となり、
 
同様に、nを素因数分解すると、n=q1β1q2β2qkβkqk は、nを構成する素数で k 番目のもの、βkqk の次数)となるとする。
 
ここで、すべてのk について pk=qk(ただし、βk0[1]) であるとする(すなわち、bのすべての素因数が、基数nの素因数に含まれる)。
 
この時、(αk の最大値 < βkm)となる適当なm を取れば、nmb は整数となり、1b=c1n+c2n2++cknk++cmnm の形で表される。
 
分数ab(ただし、ab0,akb(kは整数))において、n進法で表示する時、abが有限小数であれば、bのすべての素因数が、基数nの素因数に含まれていることの証明

※前提は共通

(証明)

1bが有限小数で、1b=c1n+c2n2++cmnm ならば、両辺にnmをかけると、nmb=nm1c1+nm2c2++cm となる。
 
右辺は整数となるため、nmb も整数となり、b は、nm の約数となり、bのすべての素因数は、基数nの素因数に含まれる。

脚注

  1. αk=0となることがあることを意味する。集合論的に表すと、{p1,p2,,pk}{q1,q2,,qk}