制御と振動の数学/第一類/Laplace 変換/Laplace 変換の定義とその基本的性質/合成積の Laplace 変換
テンプレート:制御と振動の数学/equation を と の合成積といい, テンプレート:制御と振動の数学/equation と略記する[1]. 次の性質は重要である. テンプレート:制御と振動の数学/equation
証明
定義により, テンプレート:制御と振動の数学/equation 右辺の積分の範囲は であるから,図に示した三角形領域である.
積分順序を交換すると, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.ここで と変形し, によって、積分変数を から に変えると, テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation
別証
上の積分順序の変更は,図のような説明によらなくても,形式的に次のように考えてもよい. に注意すると テンプレート:制御と振動の数学/equation と積分の上限を にとることができる[2]. このようにしておいてから積分順序を交換すると, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.ここで再び を想起すると,内側の積分の下限は でよく[3], テンプレート:制御と振動の数学/equation を得る.[4]
例18 上の(最初の)証明から分かるように,積分順序の交換式は は必要でない.別証のアイディアは、この仮定をはずしてもいかすことができる. どう考えたらよいか.
解答例
定積分の上限を とする. , にて, であることを示す.
定義域 の の領域で重積分することを考えれば テンプレート:制御と振動の数学/equation 式(2.4a)の左辺と を加えたものは, テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation また,式(2.4a)の右辺と を加えたものは, テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation 今,積分順序の交換が可能である仮定のもとで, より, テンプレート:制御と振動の数学/equation よって,式(2.4a)より,,すなわち, テンプレート:制御と振動の数学/equation で両辺とも極限値を持てば,同じくこの等式は成立する.
例19
(i)
(ii)
(iii)
(iv)
を示せ.
解答例
(i)
にて, とおいて積分変数を から に換えるとき,,また が と変化するとき は と変化するから,
- .
(ii)
- .
(iii)
これはとても難しい…いつか分かる日が来るのだろうか?
(iv) テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation
