物理数学II/特殊関数

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球函数

Legendre 函数

Legendre の微分方程式

(1x2)d2wdx22xdwdx+ν(ν+1)w=0

は、z=1x2 と変換すると、

z(1z)d2wdz2+(12z)dwdz+ν(ν+1)w=0

となる。これは、Gauss の超幾何微分方程式で、α=ν+1,β=ν,γ=1 とした場合だから、微分方程式の解は超幾何函数を使って、

w=F(ν+1,ν,1,z)=k=0(ν+1)k(ν)k(k!)2(1x2)k

とかける。これを ν 次 Legendre 函数 Pν(x) という。

次に、Pν(x) に線型独立なもう一つの解を定数変化法で求める。

w=Pν(x)v(x)

とおいて、Legendre の微分方程式に代入すると、

(1x2)Pνv+{2(1x2)Pν2xPν}v=0

これは、v に対する微分方程式として

dvv+dx{2(1x2)PνPν2xPν2}(1x2)Pν2=0

即ち、

dvv+d[(1x2)Pν2](1x2)Pν2=0

と変形できる。

これを積分して、

v=C(1x2)Pν2

を得る。もう一度積分すると、

v(x)=Cdx(1x2)Pν2+C

となるから、

w(x)=Pν(x)v(x)=CPν(x)dx(1x2)Pν2+CPν(x)

である。今求めているのは、Pν(x) に独立な解であるから C=0 としていい。C=1 とし、積分範囲を x と取るときの w(x) を第二種 Legendre 函数 Qν(x) と定義する。

すなわち、

Qν(x)=Pν(x)xdx(1x2)Pν(x)2

である。

Legendre 多項式

k>n ならば、(n)k=0となるから、Legendre 函数 Pν(x)ν が非負整数 n のとき多項式になる。

Pn(x)=k=0(n+1)k(n)k(k!)2(1x2)k=k=0n(n+1)k(n)k(k!)2(1x2)k

Pochhammer 記号について、

(n)k=n(n+1)(n+k1)=(n+k1)!(n1)!

(n)k=(n)(n+1)(n+k1)=(1)kn(n1)(nk+1)=(1)kn!(nk)! (ただし、kn のとき)

となる性質を用いると、

Pn(x)=k=0n(n+k)!(k!)2(nk)!(x12)k

を得る。Legendre 多項式は Rodrigues の公式

Pn(x)=12nn!dndxn(x21)n

によっても定義される。

実際、

Pn(x)=12nn!dndxn{(x1)n(2+x1)n}=12nn!dndxnk=0n(nk)2nk(x1)n+k=12nn!k=0nn!k!(nk)!(n+k)!k!2nk(x1)k=k=0n(n+k)!(k!)2(nk)!(x12)k

となる。

次に、Legendre 多項式の x の冪での表示を求める。Rodrigues の公式を展開して、

Pn(x)=12nn!dndxn(x21)n=12nn!dndxnk=0nn!k!(nk)!(1)kx2n2k=12nk=0[n2](1)kk!(nk)!(2n2k)!(n2k)!xn2k

ここで、いくつかの項は微分で落ちる。項が残る条件は n2k0 で、 k が整数だから、 [n2]k である。

さらに、

Pn(x)=12nk=0[n2](1)k(2n2k)!k!(nk)!(n2k)!xn2k=k=0[n2](1)k2k(2n2k)!2nkk!(nk)!(n2k)!xn2k=k=0[n2](1)k2k(2n2k1)!!k!(n2k)!xn2k

として Legendre 多項式の表示が得られる。ここで、(2k)!!=2kk!,(2k1)!!=(2k)!(2k)!!=(2k)!2kk! となることを使った。

Rodrigues の公式に Goursat の公式を使うと、

Pn(x)=12πix{t212(tx)}ndttx

となる。ここで、t212(tx)=1ζ と変換をすると、ζt22t+2xζ=0 となるから、t について解いて、 t=112xζ+ζ2ζ=1Rζ となる。ここで、R=12xζ+ζ2 と置いた。dR=ζxRdζ となるから、t の微分はdt=dζζ2(1R)dRζ=1Rxζζ2Rdζ となる。tx=1Rxζζ であったから、dttx=dζRζ.

Pn(x)=12πi0112xζ+ζ2dζζn+1

これは、

112xt+t2=n=0Pn(x)tn

ということを意味する。すなわち、これが Legendre 多項式の母函数である。

Legendre の陪函数

Legendre の陪微分方程式

(1x2)d2wdx22xdwdx+{n(n+1)m21x2}w=0

の解を求めたい。

Legendre の微分方程式

(1x2)d2wdx22xdwdx+n(n+1)w=0

w=(1x2)m2v

とおいて、Legendre の陪微分方程式に代入すると、

dwdx=(1x2)m2vmx(1x2)m2v

d2wdx2=(1x2)m2v2mx(1x2)m21v+m(1x2)m21v+m(m2)x2(1x2)m22v

となるから、(1x2)m2 で割って、x21x2=1+11x2 に注意して計算すると、

(1x2)v2(m+1)v+(nm)(n+m+1)v=0

を得る。

次に、Legendre の微分方程式を w の代わりに u とおいて、一回微分すると、

(1x2)d3udx32(1+1)xd2udx2+{n(n+1)2}dudx=0

もう一回微分すると、

(1x2)d4udx32(1+1+1)xd3udx2+{n(n+1)24}d2udx2=0

すなわち、Legendre の微分方程式を m 階微分すると、2(1+2++m)=m(m+1) となるから、

(1x2)dm+2udxm+22(m+1)xdm+1udxm+1+(nm)(n+m+1)dmudxm=0

である。

よって、

v=dmudxm

の関係があることがわかる。ここで、u は Legendre の微分方程式の解だから、

u=Pn(x),Qn(x)

を代入して、

Legendre の陪微分方程式の解として、

w=(1x2)m2dmPndxm,(1x2)m2dmQndxm

を得る。この解をLengendre 陪函数として、

Pnm(x)=(1x2)m2dmPndxm,Qnm(x)=(1x2)m2dmQndxm

と定義する。

球面調和函数

Laplace 方程式

Ψ=0

を球座標で表すと、

1r2r(r2Ψr)+1r2ΛΨ=0

となる。だたし、

Λ=1sinθθ(sinθθ)+1sin2θ2φ2

である。ΨC2 級函数で、

Ψ(r,θ,φ)=rnYn(θ,φ)

の形であるとき、Yn(θ,φ)n 次の球面調和函数という。これを Laplace 方程式に代入すると、Yn(θ,φ) の方程式として

ΛYn=n(n+1)Yn

すなわち、

1sinθθ(sinθYnθ)+1sin2θ2Ynφ2+n(n+1)Yn=0

を得る。

Yn(θ,φ)=Θ(θ)Φ(φ)

と変数分離を仮定して、

1Θsinθddθ(sinθdΘdθ)+n(n+1)=1Φsin2θd2Φdφ2

あるいは、

sinθΘddθ(sinθdΘdθ)+n(n+1)sin2θ=1Φd2Φdφ2=m2

となる。両辺は θ,φ のいずれにも依存しないから、定数であるからこれを m2 と置くと、

d2Φdφ2=m2Φ

この解は、

Φ=C1sinmφ+C2cosmφ

となる。Φ(φ) は一価函数であるから、Φ(φ+2π)=Φ(φ) より、 m は整数である。また、 m,m は同じ函数を与えるから、m0 とする。

次に、 Θ に関する微分方程式

1sinθddθ(sinθdΘdθ)+n(n+1)Θm2sin2θΘ=0

は、 x=cosθ と変換すると、

ddx{(1x2)dΘdx}+{n(n+1)m21x2}Θ=0

となる。これは、Legendre の陪微分方程式だから、

Θ=Pnm(x)

あるいは、

Θ(θ)=Pnm(cosθ)

を得る。ここで、Θ(θ)=Qnm(cosθ) も陪微分方程式の解であるが、θ=0 で連続ではない。

結局、n 次球面調和函数として、

Yn(θ,φ)=Pn(cosθ),Pnm(cosθ)cosmφsinmφ (m=1,2,,n)

2n+1 個の解を得る。

円柱函数

Bessel 函数

電磁気学や量子力学などで、微分方程式

d2wdz2+1zdwdz+(1ν2z2)w=0

を解く必要が発生する。この微分方程式の解を Bessel 函数という。

w=k=0ckzρ+k

の形の級数展開を仮定する。

このとき、

d2wdz2=k=0(ρ+k)(ρ+k1)ckzρ+k2

1zdwdz=k=0(ρ+k)ckzρ+k2

であるから、微分方程式は、

k=0[{(ρ+k)2ν2}ckzρ+k2+ckzρ+k]=0

となる。

1z2 の項は、(ρ2ν2)c0=0 であるから、ρ=±ν.

1z の項は、{(ρ+1)ν2}c1=0 であるから、c1=0.

k0 について、ck2={(ρ+k)2ν2}ck を得る。これより、c2k+1=0 がわかる。

ρ=ν のときは、

c2k=c2(k1)2(ν+k)2k

であるから、

c2k=(1)k22kk!(ν+k)(ν+k1)(ν+1)=(1)kΓ(ν+1)22kk!Γ(ν+k+1)

である。すなわち、

w=c0k=0(1)kΓ(ν+1)22kk!Γ(ν+k+1)z2k

ここで、c0=12νΓ(ν+1) に選んだものを ν 次 Bessel 函数 Jν(z) とする。

すなわち、

Jν(z)=k=0(1)kk!Γ(ν+k+1)(z2)2k+ν

である。ρ=ν のときも同様に計算することで、同じ式になる。

性質

負の整数 n 次の Bessel 函数について、

Jn(z)=k=n(1)kk!Γ(n+k+1)(z2)2kn=k=0(1)k+n(k+n)!Γ(k+1)(z2)2k+n=(1)nJn(z)

Bessel 函数の母函数は、

n=Jn(z)tn=n=0Jn(z)tn+n=1(1)nJn(z)tn=n=0m=0(1)mm!(n+m)!(z2)2m+ntn+n=1l=0(1)l+nl!(n+l)!(z2)2l+ntn

ここで、第一の総和で、l=m+n 、第二の総和で、m=l+n と置くと、

n=Jn(z)tn=m=0l=m(1)mm!l!(z2)m+ltlm+l=0m=l+1(1)ml!m!(z2)l+mtlm=m,l=01m!l!(zt2)l(z2t)m=l=01l!(zt2)lm=01m!(z2t)m=ez2(t1t)

となる。


また、母函数を tn+1 で割ると、

ez2(t1t)tn+1=Jn(z)t+k=,knJk(z)tkn1

となるから、t について原点反時計回りに積分すると、

Jn(z)=12πi0ez2(t1t)tn+1dt

が得られる。t=eiθ とすると、

Jn(z)=12πππezeiθeiθ2einθdθ=12πππeizsinθinθdθ=12πππ[cos(zsinθnθ)+isin(zsinθnθ)]dθ

ここで、sin(zsinθnθ) は奇函数だから積分は0。cos(zsinθnθ) は偶函数だから、

Jn(z)=1π0πcos(nθzsinθ)dθ

を得る。Bessel はこの積分により Bessel 函数を定義した。

また、

Jn(z)=12πππeizsinθinθdθ

で、θ=φ+π2 と変換すると、積分範囲は被積分函数の周期性より変更する必要はないから、

Jn(z)=12πinππeizcosφ(cosnφisinnφ)dφ

となる。前のように奇函数と偶函数の性質を利用すると、

Hansen の積分表示

Jn(z)=1πin0πeizcosφcosnφdφ

を得る。

母函数にt=1 を代入すると、

k=Jk(z)=1

あるいは、

J0(z)+2k=1J2k(z)=1

を得る。


ex+y2(t1/t)=ex2(t1/t)ey2(t1/t)

であるから、Bessel 函数の加法定理

Jn(x+y)=m=Jnm(x)Jm(y)

を得る。

上昇演算子と T(ν) 下降演算子 T(ν) を次のように定義する。

T(ν)=zνddzzν=ddzνz

T(ν)=zνddzzν=ddz+νz

ここで、右辺は、T(ν)f=zνddz(zνf)=zν(νzν1f+zνdfdz)=(ddzνz)f から成り立つ。下降演算子についても同様である。

これを Bessel 函数に作用させると、

T(ν)Jν(z)=zνddzk=0(1)kz2k22k+νk!Γ(ν+k+1)=zνk=1(1)kz2k122k+ν1(k1)!Γ(ν+k+1)=k=0(1)kz2k+1+ν22k+ν+1k!Γ(ν+1+k+1)=Jν+1(z)

となる。また、

T(ν)Jν(z)=zνddzk=0(1)kz2k+2ν22k+νk!Γ(ν+k+1)=zνk=0(1)k(k+ν)z2k+2ν122k+ν1k!Γ(ν+k+1)=k=0(1)kz2k+ν122k+ν1k!Γ(ν+k)=Jν1(z)

である。すなわち、

Jν'(z)νzJν(z)=Jν+1(z)

Jν'(z)+νzJν(z)=Jν1(z)

二式を辺々加えて、

2Jν'(z)=Jν1(z)Jν+1(z)

または、辺々引いて、

2νzJν(z)=Jν1(z)+Jν+1(z)

を得る。

ところで、明らかに

T(ν+1)T(ν)Jν(z)=Jν(z)

となる。この式は二階の微分方程式であるから、Bessel の微分方程式に帰着するはずである。実際、左辺を展開すると、

T(ν+1)T(ν)=(ddz+ν+1z)(ddzνz)=d2dz2+1zddzν2z2

となる。逆に考えると、昇降演算子とは微分方程式を因数分解したものだとも考えられる。

第二種 Bessel 函数

ν が非整数のときは、Jν(z),Jν(z) が独立な2解を与えるが、整数のときは、Jn(z)=(1)nJn(z) という関係があるから、独立ではない。そこで、位数 n のときの Bessel の微分方程式の独立なもうひとつの解が存在する。Bessel の微分方程式を ν で偏微分すれば、

d2dz2(Jν(z)ν)|ν=n+1zddz(Jν(z)ν)|ν=n+(1n2z2)(Jν(z)ν)|ν=n=0

となるから、(Jν(z)ν)|ν=n は微分方程式の解である。(Jν(z)ν)|ν=n も同じ微分方程式を満たすから、その線形結合として、

Yn(z)=1π((Jν(z)ν)|ν=n(1)n(Jν(z)ν)|ν=n)

を定義すると、Jn(z) に独立な解を与える。非整数の ν に対しては、

Yν(z)=cosνπJν(z)Jν(z)sinνπ

と定義すると、 νn の極限として、 Yn(z) を得ることができる。

第一種、第二種 Hankel 函数をそれぞれ

Hν(1)(z)=Jν(z)+iYν(z)

Hν(2)(z)=Jν(z)iYν(z)

で定義する。

楕円積分と楕円函数

第一種完全楕円積分 K(k) と第二種完全楕円積分 E(k)

K(k)=0π2dθ1k2sin2θ

E(k)=0π21k2sin2θdθ

で定義される。

Taylor 展開して、

K(k)=0π2dθ1k2sin2θ=0π2n=0(12n)(1)nk2nsin2nθdθ=n=0(2n1)!!(2n)!!k2n0π2sin2nθdθ=π2n=0((2n1)!!(2n)!!)2k2n

E(k)=0π21k2sin2θdθ=0π2n=0(12n)(1)nk2nsin2nθdθ=n=0(2n1)!!(2n1)(2n)!!k2n0π2sin2nθdθ=π2n=0((2n1)!!(2n)!!)2k2n12n

となる。あるいは、超幾何函数を使うと、

K(k)=π2F(12,12;1;k2)

E(k)=π2F(12,12;1;k2)

となる。この変形に、

(12)n=(12)(1+22)(1+2n22)=(2n1)!!2n

(12)n=(12)(12)(1+22)(1+2n42)=(2n3)!!2n

を使う。

Theta函数

ϑ(z,τ)=n=eπin2τ+2πinz

ϑ01(z,τ)=n=eπin2τ+2πin(z+12)=ϑ(z+12,τ)

ϑ10(z,τ)=n=eπi(n+12)2τ+2πi(n+12)z=e14πiτ+πizϑ(z+12,τ)

ϑ11(z,τ)=n=eπi(n+12)2τ+2πi(n+12)(z+12)=e14πiτ+πi(z+12)ϑ(z+12,τ)

と定義する。ϑ00(z,τ)=ϑ(z,τ) とする。

ϑ(z+1,τ)=ϑ(z,τ)

ϑ(z+τ,τ)=eπi(τ+2z)ϑ(z,τ)

さらに、

ϑ00(z+1,τ)=ϑ00(z,τ)

ϑ01(z+1,τ)=ϑ01(z,τ)

ϑ10(z+1,τ)=ϑ10(z,τ)

ϑ11(z+1,τ)=ϑ11(z,τ)

また、

ϑ00(z+τ,τ)=eπi(τ+2z)ϑ00(z,τ)

ϑ01(z+τ,τ)=eπi(τ+2z)ϑ01(z,τ)

ϑ10(z+τ,τ)=eπi(τ+2z)ϑ10(z,τ)

ϑ11(z+τ,τ)=eπi(τ+2z)ϑ11(z,τ)


ϑ00(z+12,τ)=ϑ01(z,τ)

ϑ01(z+12,τ)=ϑ00(z,τ)

ϑ10(z+12,τ)=ϑ11(z,τ)

ϑ11(z+12,τ)=ϑ10(z,τ)


楕円函数

Jacobi の楕円函数を

snu=ϑ00ϑ11(ζ)ϑ10ϑ01(ζ)

cnu=ϑ01ϑ10(ζ)ϑ10ϑ01(ζ)

dnu=ϑ01ϑ00(ζ)ϑ00ϑ01(ζ)

で定義する。ただし、k=(ϑ10ϑ00)2 ,u=πϑ002ζ である。


第一種不完全楕円積分u(x)=0xdz1z21l2z2(l[0,1])を用いると、

snx=u1(x)

cnx=1(snx)2

dnx=1(lsnx)2

と定義することもできる。


定義より

(snx)2+(cnx)2=1

(snx)2+(ldnx)2=1

は直ちに成り立つ。


また、以下の加法定理が成り立つ。

sn(x+y)=snxcnydnysnycnxdnx1(lsnxsny)2

cn(x+y)=cnxcnysnxsnydnxdny1(lsnxsny)2

dn(x+y)=dnxdnyl2snxsnycnxcny1(lsnxsny)2


それぞれの函数の微分は以下のようになる。

ddxsnx=cnxdnx

ddxcnx=snxdnx

ddxdnx=l2snxcnx


先ほどの第一種不完全楕円積分の式において、l=0を代入するとu(x)=0xdz1z2=arcsinxとなる。このとき、snx=sinx,cnx=cosxが恒等的に成り立つ。

今度はl=1を代入すると、u(x)=0xdz1z2=artanhxとなる。このとき、snx=tanhx,cnx=dnx=1coshxが恒等的に成り立つ。

すなわち、三角関数と双曲線関数は楕円函数の一種である。

参考文献

  • 寺沢寛一『自然科学者のための数学概論(増訂版)』岩波書店、1983年。
  • 高木貞治『定本 解析概論』岩波書店、2010年。
  • 犬井鉄郎『特殊函数』岩波書店、1962年。

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