線型代数学/線型方程式

線型代数学 > 線型方程式

線型方程式

線型方程式（連立1次方程式）とは、$a_{i,j},b_i\in 𝐊(1\le i\le m,1\le j\le n)$ を用いて

$\{\begin{array}{c}{a}_{1,1}{x}_1+\cdots +a_{1,n}{x}_n=b_1\\ ⋮\\ a_{m,1}{x}_1+\cdots +a_{m,n}{x}_n=b_m\end{array}$

で表わされる方程式である。

上の連立方程式は、

$A=\left(\begin{array}{ccc}{a}_{1,1}& \cdots & a_{1,n}\\ ⋮& \ddots & ⋮\\ a_{m,1}& \cdots & a_{m,n}\end{array}\right),x=\left(\begin{array}{c}{x}_1\\ x_2\\ ⋮\\ x_n\end{array}\right),b=\left(\begin{array}{c}{b}_1\\ b_2\\ ⋮\\ b_m\end{array}\right)$

とおけば $Ax=b$ と行列を用いて書ける。

仮に、Aが正方行列で逆行列を持つなら、 この式の一般解は、 $x=A^{-1}b$ となる。

しかし、これは非常に特殊な場合であり、一般には解が存在しないこともあれば、いくつかの解の重ね合わせ（正しくは線形結合）として表わされることもある。

この章では、逆行列の再定義から始め、行列の基本変形、階数等を導入し、最終的には上の線型方程式の一般解を導く。