制御と振動の数学/第一類/連立微分方程式の解法/連立微分方程式の解法/(sI-A)^-1の原像/(sI-A)^-1の原像

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さて Cayley-Hamilton の定理を用いると,A の関数は高々 n1 次の A の多項式で表されることがわかる. それで (sIA)1A の多項式で表してみよう. 式 (5.21) をスカラで表した式, テンプレート:制御と振動の数学/equation と,sα を入れ替えた式, テンプレート:制御と振動の数学/equation が成り立つであることは明らかであろう[1]前の式において αA とおくと,p(A)=0 であるから,式 (5.21) が得られ,後の式αA とおくと, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.もちろん p(A)=0 である.よって次の結果を得る.


定理 5.2

A の固有方程式を テンプレート:制御と振動の数学/equation とすれば, テンプレート:制御と振動の数学/equation が成立する.ここに, テンプレート:制御と振動の数学/equation である.ただし,p0(s)=1,pn(s)=p(s) とする [2][3]

(sIA)1 の原像 Φ(t) は, テンプレート:制御と振動の数学/equation ここに, テンプレート:制御と振動の数学/equation で与えられる[4]

(sIA)1 を求めるには,A の固有方程式が分かっているときには,この定理によるのが一番簡単なようである. しかし,その原像を求めるときには必ずしも一番簡単とはいえない.

例116

テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation を式の変形によって証明せよ.

解答例


  1. その理由は直後に記述されている,念のため.
  2. 式 (5.22d) の両辺を p(s) で割ると,
    I=(sIA){1=p0(s)p(s)An1+p1(s)p(s)An2+p2(s)p(s)An3++pn3(s)p(s)A2+pn2(s)p(s)A+pn1(s)p(s)I}
    (sIA)1=p0(s)p(s)An1+p1(s)p(s)An2+p2(s)p(s)An3++pn3(s)p(s)A2+pn2(s)p(s)A+pn1(s)p(s)I
  3. 式 (5.21) 式 (5.22b) 式 (5.22c) 式 (5.22d) 式 (5.22e) の展開である.
  4. As を含まない定数,よって式 (5.22e) の原像を求めればこの式となる.