制御と振動の数学/第一類/Laplace 変換による解の吟味/解の構造と一般解/一つの例

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一般論に入る前に,まず一つの例を与える. テンプレート:制御と振動の数学/equation の解を,特に初期値を指定しないで求めてみよう. Laplace 変換すると, テンプレート:制御と振動の数学/equation [x] について整理すると, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.この式の右辺は s の 2 次式である.x(0),x(0),x(0) をとくに指定しないので,一般には高々 2 次式の多項式となる. これを q(s) とおこう.すると, テンプレート:制御と振動の数学/equation とまとまる.これを部分分数に展開すると, テンプレート:制御と振動の数学/equation ここで初期値を指定していないので A,B,C は未定の定数である.この原像は, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.すでに述べたことであるが,3 階の微分方程式は一般に 3 個の未定定数を含む. このような解を一般解と呼んでいる.“一般”という意味は A,B,C を適当に選ぶことによって,どのように初期値を与えてもそれを満たす解が 式 (3.21) から作れるという意味である. そのことを確かめよう.初期値を, テンプレート:制御と振動の数学/equation と与えると, テンプレート:制御と振動の数学/equation とならなければならないが,この係数の作る行列式は テンプレート:制御と振動の数学/equation 3 行目に 1 行目を加えて, テンプレート:制御と振動の数学/equation となり,これは t0 がどんな値であっても,決して 0 とはならない. よって式 (3.22) を満たす A,B,C が一意に確定する.このことは, テンプレート:制御と振動の数学/equation式 (3.20) の解であって, しかも 1 次独立であることに起因する.このことの詳細は次節に示すこととし,ここでは 式 (3.23) が 1 次独立であることを示しておこう. テンプレート:制御と振動の数学/equation から A=B=C=0 を導けばよい.それにはまず 式 (3.24) D2+1 を作用させるとよい.このとき costsint の項は消えて, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.次に, テンプレート:制御と振動の数学/equation において t=0 とおくと B=0 を得,ついで C=0 を得る. このように,3 階の線形微分方程式は常に 3 個の 1 次独立な解をもち,その 1 次結合が一般解となるのである. 一般の場合の証明も,この例とほぼ同様にして示される.


例77

次の微分方程式の一般解を求めよ. テンプレート:制御と振動の数学/equation

解答例



例78

次の微分方程式の一般解を求めよ. テンプレート:制御と振動の数学/equation

解答例



例79

次の微分方程式の一般解を求めよ. テンプレート:制御と振動の数学/equation

解答例



例80

一般解は Laplace 変換によらずとも,特性多項式を見れば直ちに分かる.どうしてか.

解答例