初等整数論/公理

提供: testwiki
2022年7月7日 (木) 00:15時点におけるimported>Ef3による版 ({{Nav}})
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
ナビゲーションに移動 検索に移動

テンプレート:Nav 本当に公理的に始めるのならばペアノの公理から始めるのだろうが、それでは普通の算術に辿り着くまでに時間がかかりすぎてしまうのでもっと分かりやすくしたものを使う。ここでは整数においての公理と共に述べる。

公理

加法の公理

  1. a+b=c なる整数 c が存在する。
  2. 任意の整数 a,b について a+x=b なる整数 x が存在する。
  3. 0 が存在して、任意の整数 a について a+0=a.
  4. a=ba+c=b+c.
  5. (a+b)+c=a+(b+c).

定義 :

公理の2番目から、a+x=0 なる x が存在する。これを、a とかく。

乗法の公理

  1. ab=c なる整数 c が存在する。
  2. 1 が存在して、a1=a
  3. ab=ba.
  4. (ab)c=a(bc).
  5. ac=bcc0a=b

加法と乗法の公理

  1. (a+b)c=ac+bc

順序の公理

  1. a>ba=bb>a. ただし、a>bb>a を同時に満たすことはあり得ない。また、a>a を満たす整数は存在しない。
  2. 1>0
  3. a>ba+c>b+c.
  4. a>bc>0ac>bc.

定義

a>0 を満たす整数を自然数と呼ぶ。
a>bb<a
a>ba=bba
a<ba=bba

自然数の公理

  1. 自然数の部分集合には最小のものが存在する。
  2. 上に有界な自然数の部分集合には必ず最大の数が存在し、それは無限集合ではない。
  3. 自然数内で無限降下列は作れない。

数学的帰納法・累積帰納法

  1. P(1)(P(n)P(n+1)) ならば、全ての自然数に対して P が成り立つ。ここで P は自然数に関する命題である。
  2. P(a0) かつ、「全ての a0<n<m なる nP(n) ならば P(m)」 が成り立つならば、全ての a0a なる a について P(a). ここで P は自然数に関する命題である。

アルキメデスの公理

  1. 任意の自然数 a,b に対して an>b を満たす自然数 n が必ず存在する。

公理からの基本事項

負の数に負の数をかけると正の数になる、などの算術に関する法則はこれらの公理から演繹ができる。ここではそれを解説しない。興味のある読者に任せることとする。

テンプレート:Nav