解析学基礎/ベクトル

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n次元ベクトル(vector)とは、n個の複素数の組

a=(a1,a2,,,an) の事である。n次元ベクトル(∀n ∈ N)を総じてベクトルという。 a1,a2,,,anは、ベクトルaの要素(element)と呼ばれていて、要素がすべて実数のベクトルを特に実ベクトルと言う。対して、要素がすべて複素数のベクトルを特に複素ベクトルと言う。ベクトルには大きさも定義されていて、それは||a||で表され、

||a||=i=1nai2

と、定義される。これをaのノルムと言う。

a=(3,5,6,2,4)
||a||=32+52+62+22+42=310

演習

次のベクトルのノルムを求めよ
(1)a=(1,1,1,1,1,1,1,1,1,1)
(2)a=(2,4,6,8,0,9,3)
(3)a=(0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0)
(4)a=(3,4)
(5)a=(a,a,3a,3a)

二次元、三次元実ベクトルは、二次元空間(R2)三次元空間(R3) 内の、大きさと方向を持った量を表し、通常矢印で表される。このベクトルを特に空間ベクトルと言う。 空間ベクトルの中でも特に、点の座標を表すものを位置ベクトルという。 空間ベクトル、位置ベクトルにおけるノルムは、それぞれ長さ、距離と呼ばれ|a|と表記される。 一般にベクトルには和、差、内積、外積が定義されている。 それぞれは、成分の個数が同じ時だけ次のように定義される。

ベクトルの和

a=(a1,a2,,,an)
b=(b1,b2,,,bn)

とすると、

a+b=(a1+b1,a2+b2,,,an+bn)

ベクトルの差

a=(a1,a2,,,an)
b=(b1,b2,,,bn)

とすると、

ab=(a1b1,a2b2,,,anbn)

ベクトルの内積

a=(a1,a2,,,an)
b=(b1,b2,,,bn)

とすると、

(a,b)=i=1naibi

位置ベクトルにおいては、その交角をθとすると特に、

(a,b)=|a||b|cosθ

と表される。

演習

空間ベクトル(1,1,1)とπ/6,(1,1,4)とπ/4を交角とするベクトルを求めよ