中学校数学/2年生/数量/一次関数

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※ 中1の範囲

まず、関数(かんすう)とはどういうものなのかというと、ともなって変わる2つの変数x,yがあって、xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まるなら、yはxの関数であるといえる。


関数とは

関数の基本的な性質

関数とは、ある入力に対して必ず1つの出力がある関係のことを指す。もう少し具体的に言うと、xという値を入力すると、それに対応するyという値が1つだけ決まるという性質を持つものである。

例えば、ある商品の売上個数と売上高の関係を考えてみよう。売上個数という入力に対して、単価をかければ必ず1つの売上高という出力が決まる。このように、入力と出力の間に一定の関係があれば、それを関数として表すことができる。

関数の表現方法

関数は、必ずしも一次式で表せるわけではない。気温と時間の関係のように、曲線で表される関数もたくさんある。このように、数式で表せない関係でも、関数として扱うことができる。

関数の重要性

関数は、私たちの身の回りのさまざまな現象を理解するのに役立つ。例えば、物理学では、運動や力学を関数を使って表現する。経済学では、需要と供給の関係を関数を使って分析する。このように、関数はさまざまな分野で幅広く利用されている。

まとめ

関数は、入力と出力の関係を表す数学的な概念だ。関数は必ずしも一次式で表せるわけではなく、数式で表せない関係でも関数として扱うことができる。関数は、私たちの身の回りのさまざまな現象を理解するのに役立つ重要な概念だ。

関数の変域

気温の折れ線グラフでは、気温を測定してない時間帯には、当然、関数が存在しない。

たとえば、その日の朝6時から夕方5時まで気温を測定したら、そのあいだの時間だけが、関数の値が存在する時間帯である。

この、気温グラフで気温測定した時間帯のように、関数の値が存在する変数の領域のことを変域(へんいき)という。


なお、文字式であらわせる関数にも変域のある場合がある。

たとえば、反比例の式の関数

y=1x

では、x=0 の部分は、変域から外れる(どんな数も0では割れない)。


一次式であらわせる式でも、文章題などの応用問題では変域が存在する。 たとえば

窓があります。窓の高さは90 cmとします。窓を x cmあけたときの、あけられた部分の面積 y (単位はcm2とする)は、いくらでしょうか?

という問題では、

y = 90x

と式で表せるが、 窓のあけられた長さを0よりも小さくはできないし、窓の可動範囲までしか窓を開けないので、xに上限も存在する。


さいごに

中学1年で習う『関数』の単元は入門的な内容のため、数式であらわせる関数については中学1年では「比例」や「反比例」といった、一次式またはその逆数であらわせる関数だけを検定教科書ではあらわしており、関数の概念を使わなくても式を解けるため、わざわざ「関数」という概念を構築する必要性が分かりづらい。

しかし、本来の関数とは、たとえ、もしyの式がxの二次式または二次より大きい次数の数式であっても、それが条件「xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まる」という条件を満たしているならば、その場合「yはxの関数である」である。

最終的に読者が中学3年や高校で習う関数の理論は、このような、xについての二次式以上のyの式でも関数としてあつかう理論である。

※ 下記から中2の範囲

一次関数

一次関数とは?

xとyの関係を式で表したときに、y =2x とか、y =4x +3などのようにyがxの一次式で表せるとき、yはxの一次関数(いちじ かんすう、英:linear function)である、という。

一次関数は普通、

y = ax + b  (a ≠ 0、a,b は定数)

という式で表す。

そして一次関数のy = ax + b におけるaを 傾き (かたむき、英:gradient グレディエント)(変化の割合)といい、bを 切片 (せっぺん、英:intercept インターセプト)という。

ここでb=0のとき、この式は

y = ax

となり、これは比例を表す式であるから、比例はb=0である一次関数の特別な形である。

反比例の場合、一般式は

y=ax

であり、これはyがxの一次式で表されていないから、一次関数ではない。


一次関数のグラフ

1次関数 y=2x+3のグラフ

一次関数のグラフがどんなものか考えてみよう。

問題
     y =2x +3 のグラフを書きなさい。

グラフを書くために、まずはx の値に応じてy の値がどう変化するのか調べる。

 x  ……  -3   -2   -1   0   1   2   3  ……
 y  ……  -3   -1   1   3   5   7   9  ……

これを座標平面上にとっていくと、直線のグラフになる。


まず、y 軸とは(0,3)で交わっている。

なお、この例からも分かるように、

一次関数y=ax+bの定数の部分(切片) b は、グラフで考えたさいの一次関数の直線とy軸との交点のy座標である。


また、グラフの傾きから分かるように、

一次関数 y=ax+b の傾きは、原点を通る直線 y=ax の傾きと同じである。つまり、一次関数 y=ax+b と y=ax とは平行である。

つまり、

一次関数 y=ax+b のグラフは、原点を通る直線 y=ax の傾きと平行で、切片の座標(0,b)を通る直線である。

と言える。 または、

一次関数 y=ax+b のグラフは、原点を通る直線 y=ax をy軸の方向に bだけ移動した直線である。

とも言える。

テンプレート:- また、右図のように、傾きの数aだけ、xが1増えたときにyもa増える。

関数において、xの値(定義域)が変化したとき、yの値(値域)も変化しますが、このときyの変化量をxの変化量で割ったものを変化の割合といいます。一次関数y=ax+bにおいて、変化の割合はa(直線の傾き)となります。 たとえば、一次関数y=3x+1において、xの値が-2から5まで変化したとき、yの値はx=-2のとき-5で、x=5のとき、y=16なので、yの値は-5から16となる。よってxの変化量は7で、yの変化量は21なので、変化の割合は217=3となります。これは、この一次関数の傾きと等しいですね。

※ 範囲外: なぜ「関数」という概念が必要か?

テンプレート:コラム


方程式と関数

2元1次方程式のグラフ

2つの文字x , yを含む2元1次方程式 x+2y=2 を考える。

この方程式の表は次のようになる。

x -3 -2 -1 0 1 2 3
y 52 2 32 1 12 0 12

x+2y=2 を成り立たせるx , yの値の組は無数にある。この x , y の値の組を座標とする点をとってグラフをかくと、直線になっており、一次関数の形になっている。

また、x+2y=2 をyについて解くと y=12x+1 となり、一次関数の式の形になっていることからも、もとの方程式が一次関数でもあることが分かる。

よって x+2y2=0 のグラフは、傾きが12、切片が1の直線になる。
この直線を 方程式 x+2y=2 のグラフ という。


このように、2元1次方程式は、一次関数である。また、2元1次方程式のグラフは、式を変形してyについて解くことで、その傾きと切片を求めることができる。


y=kのグラフ

y=kのグラフは、右図のようになる。


なぜなら、この方程式 y=3 を満たすxとyの解の組み合わせは、

・・・(ー1,3), (0,3), (1,3), (2,3), (3,3), (4,3),・・・

と無数にあり、それらの点のある位置は、右図のように、x軸に平行で、y軸方向に原点から3だけx軸を移動させた直線の上にあるからである。


一般に、y=k のグラフは、点 (0 , k) を通り、x軸に平行な直線である。

見方によれば y=k とは、2元1次方程式 ax+by=ca=0 な場合であるとも、みなせる。

(発展)x=hのグラフ

x=2 のグラフは、右図のようになる。

なぜなら、この方程式をみたすxとyの組み合わせ (x,y) は、

・・・(2,ー1) ,(2,0) ,(2,1) ,(2,2) ,(2,3) ,・・・

のようになるからである。


一般に、x=h のグラフは、点 (h , 0) を通り、y軸に平行な直線である。

x=h は、2元1次方程式 ax+by+c=0b=0 の特別な場合である。

一次関数の式を求める

傾きと切片が分かっている場合

例題
傾きが-3、切片が4の一次関数の式を求めなさい。

これは、一次関数の式y = ax + bに、数を代入すれば分かります。
aが傾き、bが切片なので、

y = -3x + 4

となります。


傾きと通過する1点が分かっている場合

例題
傾きが2で、(3,7)を通る一次関数の式を求めなさい。

傾きが分かっているので、一次関数の式y=ax+bに傾きを代入します。

y = 2x + b

(3,7)とは、x=3,y=7ということなので、先ほど導き出したy=2x+bに3,7を代入します。

7 = 2 × 3 + b

この式をbについて解くと、

7 = 6 + b
b = 1

よって、例題の答えは、

y = 2x + 1


通過する2点が分かっている場合

例題
(-3,8),(1,-4)を通る一次関数の式を求めなさい。
連立方程式を使う

分かっているのは通過点だけなので、通過点の座標を代入した連立方程式を作ります。

{3a+b=8a+b=4

この連立方程式を解くと、

(a,b) = (-3,-1)

よって、例題の答えは、

y = -3x - 1
傾きと通過する1点が分かる形に直す

実は2点の座標の差から、傾きを求めることもできます。
傾き,変化の割合は、yの変化量÷xの変化量なので、それぞれの座標差から変化量が出るのです。

a=481(3)
=124
=3

これを代入し、 さらにx,yをどちらかの座標に代入すれば、

8 = -3 × (-3) + b
b = -1

よって、

y = -3x - 1

が求められました。


連立方程式とグラフ

連立方程式をグラフにあらわしたときの意味について考えよう。

次の方程式を例に考えよう。

{4y+3x=3(1)3xy=2(2)

まず式(1)は一次関数 y=34x+3 に変形できる。

同様に式(2)は一次関数 y=3x2 に変形できる。

これをグラフにすると、それぞれ右図のような直線になる。

このように、グラフにおける一次関数どうしの線どうしの交点は、それに対応する連立方程式の解になる。

関数の利用

かさ
ダイヤグラム
動点と図形の面積