「線型代数学/クラメルの公式」の版間の差分

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テンプレート:Wikipedia 線型代数学/線型方程式の解では、未知数がn個、方程式の数が、m個である線形方程式の解について学んだが、ここでは、未知数が、n個、方程式の数がn個である線形方程式の解について学ぶ。

クラメルの公式

{a1,1x1+a1,2x2++a1,nxn=b1a2,1x1+a2,2x2++a2,nxn=b2an,1x1+an,2x2++an,nxn=bn

という、線形方程式は、  A=(a1,1a1,nan,1an,n),𝐱=(x1xn),𝐛=(b1bn) を用いて、

 A𝐱=𝐛と表すことができる。

クラメルの公式とは、 行列Aのj列目が𝐛になっている行列Aj=(a1,1a1,j1b1a1,j+1a1,na2,1a2,j1b2a2,j+1a2,nan,1an,j1bnan,j+1an,n)を用いて、

この線形方程式の解は、xj=|Aj||A|である。というものである。


証明


この線形方程式は、 A𝐱=𝐛と表すことができる。 A1を左からかければ、𝐱=A1𝐛である。
線形代数学/余因子行列で求めた式A1=A~|A| を用いれば、𝐱=A~|A|𝐛
𝐱=1|A|(a~1,1a~2,1a~3,1a~n,1a~1,2a~2,2a~2,3a~n,2a~n,1a~n,2a~n,3a~n,n)(b1b2bn)
展開すれば、 𝐱=1|A|(b1a~1,1+b2a~2,1+b3a~3,1++bna~n,1b1a~1,2+b2a~2,2+b3a~3,2++bna~n,2b1a~n,1+b2a~n,2+b3a~n,3++bna~n,n)
この行列のj行目は、xj=b1a~1,j+b2a~2,j++bna~n,jなので、左辺のj行目は、行列Aのj列目が𝐛になっている行列 Aj=(a1,1a1,j1b1a1,j+1a1,na2,1a2,j1b2a2,j+1a2,nan,1an,j1bnan,j+1an,n) をj列目で、余因子展開したものと一致する。
よって、xj=|Aj||A|である。

演習問題

以下の一次連立方程式を解け。

(1) {ax+by=cdx+ey=f

(2){x+y+z=1ax+by+cz=da2x+b2y+c2z=d2(a,b,c は互いに異なる実数)

解答・解説

(1) aebd0 のとき、クラメルの公式より、x=cebfaebd,y=afcdaebd.aebd=0 の場合は、bfce=0 のときのみ解が存在し、その解は ax+by=c を満たす (x,y) 全体。

(2) クラメルの公式から、行列式はすべてヴァンデルモンドの行列式となるから、x=(cb)(cd)(bd)(cb)(ca)(ba),y=(cd)(ca)(da)(cb)(ca)(ba),z=(db)(da)(ba)(cb)(ca)(ba)