「オートマトン/第一類/数学的準備/記号列」の版間の差分

提供: testwiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
imported>MathXplore
 
(相違点なし)

2022年11月25日 (金) 06:54時点における最新版

テンプレート:Pathnav

入力記号と入力記号列

オートマトンに各時点で与える入力は,抽象的に 0,1,, あるいは a,b,, の記号で表し,これらを入力記号(input symbol) と呼ぶ。 個々のオートマトンでは,それが扱うことのできる入力記号を,あらかじめ定めておいた有限種類のものに限定し,それを入力記号の有限集合 Σ={0,1} 等として明示することとする.

刻々と入力される入力記号をつなぎ合わせてできる系列,例えば 010,01001, などを入力記号列 (input string),あるいは入力系列 (input sequence) と呼ぶ. 出力についても同様の扱いとする.

入力記号列・出力記号列をあわせて,記号列と呼ぶ.


記号列の長さ・空記号列

あらためて記号列の定義を形式的に定める.

Σ={a1,a2,,an} 中の記号を重複を許して有限個数並べて得られる w=ai1,ai2,,ain を, Σ 上の記号列 (string over Σ) あるいは系列 (sequence over Σ) という. この記号列の長さ (length) は,w を構成している記号の数 n であると定義し,|w| で表す.

特に長さが 0(n=0) の記号列を空記号列 (empty stginr) または 空系列 (empty sequence) と呼び,ε で表す. ε集合の項で述べた空集合 とは異なる概念であることに注意しておこう.

例えば,w=1101001Σ={0,1} 上の記号列であり,|w|=7 である.


連接

記号列 x,y に対して xy と表したとき,記法 xyxy の連接 (concatenation) と呼ばれる演算結果を表す. 連接 xy は,x=a1a2amy=b1b2bn のとき xy=a1a2amb1b2bn である.


接頭辞・接尾辞・部分記号列

記号列 w=xyz において,xw の接頭辞 (prefix), zw の接尾辞 (suffix) という.

また x,y,z はおのおの w の部分記号列 (substring) であるという.

ここに x,y,z は空記号列 ε であってよく,例えば εyz=yz,xεz=xz,xyε=xy である. 特に yzε であるとき,xw=xyz の真の(proper) 接頭辞である,等という.


スター閉抱

w=ai1ai2ain において,ai1=ai2==ain すなわち w は同じ記号 an 個ならべられたものであるとき,w=an と表す場合もある.

空記号 ε を含めて Σ 上で作りうるあらゆる記号列の全体からなる無限集合を Σ* と表し,これを Σ のスター閉抱 (star closure) と呼ぶ.

例えば Σ={0,1} であるとき, Σ*={ε,0,1,00,01,10,11,000,001,010,011,100,101,110,111,0000,0001,0010,} である.

また Σ={a,b,c} であるとき, Σ*={ε,a,b,c,aa,ab,ac,ba,bb,bc,ca,cb,cc,aaa,aab,aac,aba,abb,abc,aca,acb,acc,baa,bab,} である.