「中等教育前期の数学/幾何編/上巻/三角形の辺と角」の版間の差分

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2022年11月23日 (水) 18:09時点における最新版

三角形の辺と角

三角形の辺と角の大小関係について、次のようなことが言える。

三角形の辺と角の大小

ABC において

AB<AC ならば B>C
  • 証明

AB<AC とし、辺AC上に点Dを、 AD=AB となるようにとれば

ABD=ADB ……(1)

ところで、ADBDBCBDC の外角だから

ADB>C ……(2)

また、点Dは辺AC上にあるから

B>ABD ……(3)

(1),(2),(3)より、B>C


  • 逆(B>C ならば AB<AC の証明)

B>C であって、AB<AC ではないとすると、次のどちらかが成り立つ。

AB=AC ……(1)
AB>AC ……(2)

(1)が成り立つとすると、二等辺三角形になるので、B=C

(2)が成り立つとすると、前半で示したとおり、B<C

どちらの場合も、仮定 B>C に反する。

よって、AB<ACでなければならない。(証明終)

よって、逆も成立する。なお、このような証明法を 転換法 という。

三角形の3辺について、次のようなことが言える。

三角形の2辺の和

三角形の2辺の和は、残りの辺よりも大きい。

  • 証明

ABC において、AB+AC>BC を証明する。

辺BAをAの方に延長し、その上に点Dを、AD=AC となるようにとる。

ACD は二等辺三角形であるから

D=ACD

BCD において、点Aは辺BD上にあるから

BCD>ACD=D

よって、三角形の辺と角の大小関係より

AB+AC=AB+AD=DB>BC


ABC の3辺の長さを、BC=a , CA=b , AB=c とすると、上の定理より次のことがわかる。

b+c>a , c+a>b , a+b>c
三角形の2辺の差

三角形の2辺の差は、残りの辺よりも小さい。

  • 証明
b+c>a , c+a>b , a+b>c

であるから、bc のとき、c+a>b より

a>bc

b<c のとき、a+b>c より

a>cb

が成り立つ。


2つの定理より、三角形の3辺が a , b , c であるとき、

|bc|<a<b+c

が成り立つことがわかる。(||は絶対値を表す記号。例えば|2|=2)

逆に、正の数 a , b , c が不等式 |bc|<a<b+c を満たすとき、3辺の長さが a , b , c である三角形が存在する。

特に、最大のものがcならば、a+b<c のみを満たせばよい。