「制御と振動の数学/第一類/連立微分方程式の解法/連立微分方程式の解法/行列表示と解法」の版間の差分
imported>MathXplore 細 added Category:微分方程式 using HotCat |
(相違点なし)
|
2024年10月18日 (金) 02:42時点における最新版
(1)
前章までで取り扱った単独高階の微分方程式, テンプレート:制御と振動の数学/equation は,次のような変数を選べば,連立微分方程式とみなすことができる.すなわち, テンプレート:制御と振動の数学/equation とおけば, テンプレート:制御と振動の数学/equation となり,また初期条件は, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.
そこで,この節では,もう少し一般化した定数係数の連立 1 階線形微分方程式, テンプレート:制御と振動の数学/equation および初期条件 テンプレート:制御と振動の数学/equation を取り扱うことにする.ここで, テンプレート:制御と振動の数学/equation および, テンプレート:制御と振動の数学/equation とおけば,式 (5.10) と初期条件は, テンプレート:制御と振動の数学/equation と簡潔に表示できる.ここに, テンプレート:制御と振動の数学/equation である.
(2)
ここで少し記号の約束をしておこう.
関数を成分とする行列,
テンプレート:制御と振動の数学/equation
に対して,この行列の微分あるいは積分を,その成分の微分あるいは積分を成分とする行列と定義する.すなわち,
テンプレート:制御と振動の数学/equation
あるいは,
テンプレート:制御と振動の数学/equation
と約束する.この約束に従えば,
テンプレート:制御と振動の数学/equation
テンプレート:制御と振動の数学/equation
は必然である[1].
また を関数を成分とする行列とし,積 が定義できるものとすれば,
テンプレート:制御と振動の数学/equation
テンプレート:制御と振動の数学/equation
などは明らかであろう.
例114
解答例
(1) 式 (5.11a)の証明.
行列 の第 行第 列成分を ,
これと並行に成分の表示方法として,行列 の各成分を と表示するものとすると,
よって,
以上により式 (5.11a)の証明が完了する.
(2)式 (5.11b)の証明.
ここで より,
- ↑
したがって,
テンプレート:制御と振動の数学/equation
テンプレート:制御と振動の数学/equation
などの計算が許される.ただし 式 (5.13) の は定数行列とする.
たとえば式 (5.12)
の証明は次のとおりである。
テンプレート:制御と振動の数学/equation
と略記すると,
テンプレート:制御と振動の数学/equation
ただ定義に従って変形していくだけでよい[1].
(3)
さて以上の準備の下に, テンプレート:制御と振動の数学/equation は次のように解くことができる. この式を Laplace 変換すると, テンプレート:制御と振動の数学/equation すなわち, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.ここに は 次の単位行列である. を の逆行列とすれば, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.いま, テンプレート:制御と振動の数学/equation とおけば, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.以上は例題を通して考察したことの繰り返しに過ぎない. これからわかるように,連立微分方程式を解くことの中心は式 (5.14) を計算することである.