「制御と振動の数学/第一類/Laplace 変換/三角関数の Laplace 変換とその応用」の版間の差分
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2022年11月23日 (水) 15:24時点における最新版
§1
テンプレート:制御と振動の数学/equation を公式 テンプレート:制御と振動の数学/equation を用いて Laplace 変換する. テンプレート:制御と振動の数学/equation とおくと, であるから,式(2.18) は テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation を得る.
また, テンプレート:制御と振動の数学/equation を Laplace 変換すると, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.
例35
Laplace 変換の定義式から,直接三角関数の Laplace 変換を導け.
解答例
また より
例36
を Laplace 変換することにより上の結果を導け.
解答例
とすると,
以上をまとめて
テンプレート:制御と振動の数学/equation
テンプレート:制御と振動の数学/equation
を得る.
次に式 (2.19) から得られる興味ある結果を示そう. 右辺を で展開する. テンプレート:制御と振動の数学/equation この原像を求めると, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.これは の Taylor 展開である.
例37
上の例にならって を Taylor 展開せよ.
解答例
[1]
よってその原像は,
- ↑ 初項:,公比: の無限等比級数.
例38
解
与式を Laplace 変換 すると, テンプレート:制御と振動の数学/equation よって, テンプレート:制御と振動の数学/equation この原像は, テンプレート:制御と振動の数学/equation
例39
解
与式を Laplace 変換すると, テンプレート:制御と振動の数学/equation これを と について解くと, テンプレート:制御と振動の数学/equation となるから,この原像は テンプレート:制御と振動の数学/equation である.
応用例
バネの振動
テンプレート:制御と振動の数学/equation の周期を求めてみよう.今, テンプレート:制御と振動の数学/equation と変形しておいて Laplace 変換する. テンプレート:制御と振動の数学/equation これを について解くと, テンプレート:制御と振動の数学/equation この原像を求めると, テンプレート:制御と振動の数学/equation ただし とおいた.次に と を合成して テンプレート:制御と振動の数学/equation ここに, テンプレート:制御と振動の数学/equation と変形すると,周期 は, テンプレート:制御と振動の数学/equation であることが分かる.さて、バネに錘 をつけたときの伸びを とすると, 力の釣り合いの式から, テンプレート:制御と振動の数学/equation を得るから,この伸び を用いると, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる. を静たわみと呼ぶことがある. このバネ振子と振り子とを比べてみると面白い. この振り子の運動方程式, テンプレート:制御と振動の数学/equation は, が小さいときは であるから テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.よってこの振り子の周期は, テンプレート:制御と振動の数学/equation である.さきの静たわみ は,この振り子の長さ に相当する.
例40
次の微分方程式を解け. テンプレート:制御と振動の数学/equation
解答例
とおき,与方程式の Laplace 変換をとると,
この原像は,
例41
次の微分方程式を解け. テンプレート:制御と振動の数学/equation
解答例
とおき,与方程式の Laplace 変換をとると,
この原像は,
§2
第一移動定理 テンプレート:制御と振動の数学/equation を式(2.19) に用いると, テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation を得る.
例42
解
とおくと, テンプレート:制御と振動の数学/equation これを について解く. テンプレート:制御と振動の数学/equation
この原像を求めると, テンプレート:制御と振動の数学/equation
例43
テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation を解け.
解
テンプレート:制御と振動の数学/equation とおくと, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.これを について解くと, テンプレート:制御と振動の数学/equation ところで テンプレート:制御と振動の数学/equation であるから テンプレート:制御と振動の数学/equation
例44
解答例
とおくと,
とおいて,
すなわち
この原像は,
別解例
例43 で求めた解に を代入する.
に を代入すると,
- [1]
- とおいて部分積分を実行すると,
- とおいて部分積分を実行すると,
前に戻って,
すなわち,
例45
解答例
とおくと
過渡解 については,
この原像は,
定常解 については 例43 より
よって解 は,
- ↑ さらに加法定理を使いたくなるが,ここは我慢のしどころである….
§3
テンプレート:制御と振動の数学/equation の原像を求めよう.
(i) テンプレート:制御と振動の数学/equation であったから, テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation
(ii) テンプレート:制御と振動の数学/equation とおくと,今求めた より である. テンプレート:制御と振動の数学/equation にて より テンプレート:制御と振動の数学/equation となるから、上の結果を用いて テンプレート:制御と振動の数学/equation を得る[1].以上をまとめると
テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation
この応用として,外力を伴う単振動を取り扱おう.
テンプレート:制御と振動の数学/equation
では静止していたものとする.[2]いま,
テンプレート:制御と振動の数学/equation
とおくと,上式は,
テンプレート:制御と振動の数学/equation
となる.これを解けばよい.
(i) の場合
式(2.22) を Laplace 変換すると, テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation テンプレート:制御と振動の数学/equation この原像は テンプレート:制御と振動の数学/equation おもりの位置 に,微分方程式の形に由来する力学系の固有振動の項 の他, 外力による振動の項 が現れていることに注目する.この二つの振動数が近づくほど の分母の影響により, が大きくなることがわかる. 力学系の固有振動数 と外力の振動数 が同一となると、ついにはこの力学系にて問題を引き起こすのである.
(ii) の場合
同じく,式(2.22) を Laplace 変換すると, テンプレート:制御と振動の数学/equation この原像は, テンプレート:制御と振動の数学/equation 第二項に注目する.この項には があるため, テンプレート:制御と振動の数学/equation となり,建造物の場合などでは破壊が起こる.いわゆる共振現象と呼ばれているものがこれである.
例46 テンプレート:制御と振動の数学/equation を解け.
解答例
とおくと
この原像は,
式(2.21) に 第一移動定理 を用いると,
テンプレート:制御と振動の数学/equation
テンプレート:制御と振動の数学/equation
を得る.
例47 テンプレート:制御と振動の数学/equation を解け.
解答例
とおくと
この原像は,
- ↑
または, とし,これを求める.
- …①
- …②
すなわち (積和の公式)
これを適用すると,
- ↑
水平面上,質量 のおもりと自由長 ,バネ定数 のバネを結合した系を 軸上に置き、このときのおもりの位置を ,
バネのおもりとは反対側の一端(静止した状態では ) の位置に新しい座標系 を置いて の大きさおよび正の向きは と同一とし,このバネの一端の座標軸 に対する向きを含めた変位を とする.今 および が任意の値をとるとき,バネの自由長からの伸びは符号を含めて .おもりに対する運動方程式を立てると,