「制御と振動の数学/第一類/Laplace 変換/Laplace 変換の定義とその基本的性質/定義」の版間の差分

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(相違点なし)

2022年11月23日 (水) 15:24時点における最新版

f(t) を実変数の実数値関数、s を実数とするとき, テンプレート:制御と振動の数学/equation で定義される s の関数 F(s)f(t)Laplace 変換といい, テンプレート:制御と振動の数学/equation と表す.このとき F(s) を Laplace 変換の像,f(t) をその原像と呼ぶ.

一般には f(t) は実変数の複素数値関数でもよく,s も複素数とするが,当分,上のように実数の範囲で考えておく.

さて無限積分 式 (2.1) の意味は,もちろん テンプレート:制御と振動の数学/equation であり,各 s に対して右辺の極限が存在すれば,それは s の関数を定義するので,それを F(s) とするのである. もっとも,ここで,f(t) は任意の有限区間で積分できるとしている.我々の目的は微分方程式や差分方程式を解くことにあるのだから, 多くの場合 f(t) は微分可能な関数で,せいぜい区分的に連続な関数である.そのときは,この条件を満たしている.


例16

f(t)=1 の Laplace 変換を求めよ.


テンプレート:制御と振動の数学/equation よって,s>0 ならば, テンプレート:制御と振動の数学/equation となるから,結局, テンプレート:制御と振動の数学/equation となる.


例17 テンプレート:制御と振動の数学/equation を示せ.

解答例

テンプレート:制御と振動の数学/equation


Laplace 積分[1]の定義から分かる通り,f(t)t<0 の部分での値は積分には影響しない.

それゆえ,Heaviside の関数テンプレート:制御と振動の数学/equation に対しても, テンプレート:制御と振動の数学/equation でる.したがって t<0 の部分も考えると,f(t)F(s) とは 1 対 1 に対応しないことになる. t<0 の部分が関係してくる場合,たとえば f(tα),α>0 の Laplace 変換を考えるときなどは, テンプレート:制御と振動の数学/equation と約束しておく.こうすると実質的に f(t)F(s) は 1 対 1 に対応する. “実質的に”というのは,不連続点などの例外点を除いて、という意味である. この約束は当分必要でないが,差分方程式を取り扱うときなどに重要となる.


  1. Laplace 変換の定義式 (2.1) の右辺を Laplace 積分という.