「高等学校工業 電子回路/負帰還増幅回路」の版間の差分

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2022年11月25日 (金) 15:09時点における最新版

負帰還増幅回路の原理図

図のように、出力の一部を、入力にもどすことを、帰還(きかん、feedback)とか、「帰還をかける」とかいう。

帰還した信号が入力信号と逆相の場合を負帰還(ふ きかん、negative feedback)という。つまり、入力が VーVf になるものを負帰還という。

帰還した信号が入力信号と同相の場合を正帰還(せい きかん、positive feedback)という。つまり、入力が V+Vf になるものを正帰還という。


負帰還の用途は、増幅回路を安定させるために用いられる。温度などにより特性が変化して増幅率が増幅しても、負帰還がかかってるので、いくらかは打ち消しあうという仕組みである。

いっぽう、正帰還は、発振回路(はっしん かいろ)に用いる(のちの単元で後述する)。


さて、帰還率 β を、つぎのように、帰還電圧 vf と出力電圧 vo との比で定義する。

β=vfvo


さて、帰還回路がない場合の増幅率を A0 としよう。

帰還回路がある場合の増幅率Aは、定義は

A=vovi

である。

さて、(viーvf) が増幅率 A0 で増幅されて vo になるわけだから、 それを式で表せば、

A0(vivf)=vo  (1)

である。 v_fは β=vfvo により、 vf=βvo なので、それを(1)式に代入すれば、

A0(viβvo)=vo  

展開して、

A0viA0βvo=vo  

となり、vo どうしをまとめるために移項して、

A0vi=vo+A0βvo 

となり、同類項として vo どうしでまとめて、

A0vi=(1+A0β)vo 
vovi=A01+A0β  (2)

帰還回路のある場合の増幅率 Af は、つまりvovi なので、(2)式より、

Af=vovi=A01+βA0

これで、負帰還のある場合の増幅率 Af が求まった。

エミッタ接地の負帰還回路

エミッタ接地の負帰還回路

単元『高等学校工業 電子回路/増幅回路の基礎』に紹介された「バイパスコンデンサのある回路」から、バイパスコンデンサを取り除いただけの右のような回路でも、負帰還の回路になる。