「チェザロ平均」の版間の差分

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(相違点なし)

2017年10月20日 (金) 19:46時点における最新版

数列{an}に対して、初項から第n項までの総和をnで割ったもの、即ち

1nk=1nak

w:チェザロ平均という。

さて、チェザロ平均について、次の性質が成り立つ。

anα  1nk=1nakα

この結果の数学的利用価値については上記のWikipediaへのリンクを参照してもらうとして、ε-N論法の練習としてこの命題を証明してみよう。

証明 まず、仮定をε-N論法で書き直しておく。

ε>0,N (n>N|anα|<ε)(1)

ここで、

|1nk=1nakα|

を考えると、

|1nk=1nakα|
=|1nk=1naknαn|
=|1nk=1n(akα)|

三角不等式を用いて変形すると、

|1nk=1n(akα)|1nk=1n|akα|

となる。 いま、(1)の各εと対応するNに対して、n>Nとして、

1nk=1n|akα|
=1nk=1N|akα|+1nk=N+1n|akα|
<1nk=1N|akα|+nNnε
<1nk=1N|akα|+ε

ここで、任意の実数より大きな自然数が存在するから(これをアルキメデスの原理と言う/アルキメデスの原理は定理である)、

1εk=1N|akα|<M

すなわち

1Mk=1N|akα|<ε

を満たす自然数Mが存在する。 よって、各εに対して、Nより大きくかつM以上のnで、

|1nk=1nakα|<ε+ε=2ε

以上のように、任意の正の実数εに対して、max{N,M}なる自然数が存在して、nがこれより大きいとき、|1nk=1nakα|がεの定数倍より小さくなるから、

1nk=1nakα ■