「電磁気学/電磁波の式の導出」の版間の差分

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2022年12月1日 (木) 05:25時点における最新版

テンプレート:Pathnav ここではマクスウェルの方程式から電磁波波動方程式を導く。

通常、マクスウェルの式は E電場の強度B磁束密度D電束密度H磁場の強度ρ電荷密度j電流密度として、作用素 を用いて

{𝐁(t,𝐱)=0×𝐄(t,𝐱)+𝐁(t,𝐱)t=0𝐃(t,𝐱)=ρ(t,𝐱)×𝐇(t,𝐱)𝐃(t,𝐱)t=𝐣(t,𝐱)

と表記されるが、真空中ではE-B対応とE-H対応により、電束密度 D と電場 E 及び磁場の強度 H と磁束密度 B がそれぞれ

𝐃=ε0𝐄
𝐇=1μ0𝐁

と言う関係にあるため、ベクトル解析回転(「∇×」)と勾配(「∇」)及び発散(「∇·」)とラプラシアン(「∇²」)の演算子をそれぞれ

rot,grad,div,Δ

定義すると

{div𝐁=0(1)rot𝐄=𝐁t(2)div𝐄=ρε0(3)rot𝐁=μ0𝐣+μ0ε0𝐄t(4)

と表わせる。

まず、(2)式の両辺のベクトル場それぞれの回転をとり

rot(rot𝐄)=rot𝐁t

と変形して、この式の左辺にベクトル解析の公式 rot(rot𝐅)=Δ𝐅+grad(div𝐅) を適用し、右辺は時間微分と空間微分とを交換すると

Δ𝐄+grad(div𝐄)=t(rot𝐁)

となる。そしてこの式に、(3)式及び(4)式を代入すると

Δ𝐄+1ε0gradρ=μ0𝐣tμ0ε02𝐄t2(5)

となる。

また、(4)式の両辺のベクトル場それぞれの回転をとり

rot(rot𝐁)=μ0rot𝐣+μ0ε0rot𝐄t

と変形した後、電場の場合と同様に

Δ𝐁+grad(div𝐁)=μ0rot𝐣+μ0ε0t(rot𝐄)

と式変形して、この式に(1)式及び(2)式を代入すると

Δ𝐁=μ0rot𝐣μ0ε02𝐁t2(6)

となる。

ここで、ダランベルシアン

=1c22t2Δ

と定義すると、(5)式及び(6)式は

𝐄=1ε0gradρμ0𝐣t+(1c2μ0ε0)2𝐄t2𝐁=μ0rot𝐣+(1c2μ0ε0)2𝐁t2

と表され、電磁波を伝播速度が

c=1μ0ε0

で表される波であると仮定すると

𝐄=1ε0(gradρ+1c2𝐣t)=μ0(c2gradρ+𝐣t)𝐁=μ0rot𝐣=1ε0c2rot𝐣

となり、真空透磁率 μテンプレート:Sub真空の誘電率 εテンプレート:Sub のどちらか一方のみを係数として表す事も出来る。更に、電流が存在しなければ ρ 及び j が消えるので、(5)式及び(6)式は完全に電磁波に関する波動方程式となる。