高等学校工業 機械設計/機械要素と装置/圧力容器のソースを表示
←
高等学校工業 機械設計/機械要素と装置/圧力容器
ナビゲーションに移動
検索に移動
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
この操作は、次のグループに属する利用者のみが実行できます:
登録利用者
。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
[[File:Water well tank.JPG|thumb|right|200px|水ウェル給湯システムに接続された圧力タンク。<br><br>実務の際は、本節で解説したこと以外にも、多くの他の検討項目がある。本節の知識だけでは画像のような製品は設計できない。画像は圧力容器のイメージの参考程度に。]] [[File:Pressure Vessel.jpg|thumb|right|200px|鋼製圧力容器。<br>このような大型構造物の応力解析は高校レベルを超える。画像は圧力容器のイメージの参考程度に。]] おもに金属製の容器を対象に考える。 ガスタンクなど、圧力のある流体を容器に詰めたものを'''圧力容器'''という。 容器に詰める流体の種類は、気体や液体、蒸気などである。 実際の容器には、バルブなどが付いていて、バルブを開くことで、内部の流体を取り出す。なので、バルブを閉めることで、内圧を高いまま維持できるなら、一般には圧力容器と見なす。 なお、容器の外側から圧力がかかる場合も、圧力容器という場合もあるが、今回の考察では外側からの圧力は考えないとしよう。 また、ボイラーなどの圧力容器には、安全基準を満たすために産業規格が定められている。ここでは、基本的な概念を理解するために、産業規格は考慮せずに、圧力容器の定義を説明する。 内圧によって容器にかかる応力が均一に見なせる場合の容器を'''薄肉容器'''(うすにくようき)という。 「薄肉」容器と言っても、容器が壊れない程度には厚さを持っている。この場合の薄肉とは、応力が均一に見なせるという意味である。 容器の壁の内側のほうが外側よりも応力が大きいので、厚さが大きくなってくると、応力は、だんだん一定とは見なせなくなってくる。このような応力が一定とは見なせないほど厚さが大きい場合は'''厚肉容器'''(あつにくようき)という。 では、内圧と応力の関係を考えよう。まず薄肉容器から計算をする。 厚肉容器の応力の理論も、薄肉の場合の応力の理論が、理論的基礎になっている。なので、まず薄肉容器の応力の理論を理解する必要がある。 == 薄肉円筒の場合 == === 円周方向の応力 === 具体的には、金属管の円形の直管を想定して頂きたい。直管部の端はバルブなどで閉じてるとしよう。 管の大きさは実験室レベルとして、管の軸の向きは水平方向の向きとしよう。 さて、円筒の長さは管内径に対しては、十分に長いと仮定する。 また、内圧によるひずみ変化が無視できるほどには、応力が小さいとする。(管の垂直方向の上部と下部との重力差の影響を考えると、計算がやっかいなので。) こう仮定すれば、応力は半径方向のみになる。応力の方向は、管壁に垂直であり,円筒管だから、つまり管内壁の各部に、半径方向の向きに応力がかかる。 バルブにかかる応力の影響は、管が管径に対して十分に長いと仮定してるので、バルブ部分は応力計算から無視できる。 内壁に掛かる力の方向を考えると、力はベクトルであり向きを持っているから、これを考慮して、内壁に掛かる合計の力を考えないといけない。そして、その合計の力が応力に関わる。(合計の力の厳密な証明は、最終的には、管の中心を通る断面と交わる管の面積を考える必要がある。この結果の算出方法として、三角関数やベクトルなどを駆使して、管壁にかかる力のベクトルを積分して計算する方法もあるが、高校レベルをやや超えるので、本節では、結果の計算法を用いるとする。) さて、管の長さをL[mm]とする。 まず、合計の力を考えるには、管の中心を通る断面と管内部の交わる面積DL[mm<sup>2</sup>]に、外部との差圧の圧力p[MPa]を掛けた値pDLになる。(pDLになる理由は、証明がベクトルの積分を用いるので省略。代わりに、直感的に考え、説明図などを書籍や外部サイトなどで探して、納得いくまで直感的に考えよ。) 合計の力F[N]は :<math> F=pDL </math> [N] である。 管の断面積は、管の厚さをt[mm]として、断面積は、 :<math> 2tL </math> [mm<sup>2</sup>] である。 応力σ[MPa]は、断面積2tL[mm<sup>2</sup>]に均一に掛かると仮定して、(薄肉なので、均一に応力が掛かると仮定できる。) :<math> \sigma =\frac{pDL}{2tL}=\frac{pD}{2t} </math> [MPa] である。 管の厚さに関する、JIS規格の配管に関する規格である'''スケジュール番号'''(Sch)は、このような応力計算を元に定義されている。 なお、実務の際は、安全率を考慮して、応力の計算結果よりも大きめの耐久性を持たせておく必要のあることを、忘れないように。 === 軸方向の応力 === 軸方向の応力の考察は、円周方向の考察では省略したが、実は、簡単に計算できる。 まず、軸方向の応力を考えるには、管の端部は容器と一体になっていないといけない。この場合、容器からの流体の取り出し用のバルブは軸端部以外の、端部から離れた円周上の箇所に、バルブなどをつけることになる。 応力集中については、計算の簡単化のため、今回は応力集中は考えないとする。 さて、圧力が容器におよぼす軸方向の合計の力F[N]は、 軸方向の内径の断面積 <math> \pi D^2 /4 </math> に、圧力p[MPa]を掛けたものになる。 軸方向の応力で考える断面積は「軸方向の断面積」を考えることに注意。前の節の円周方向の応力で考えた「断面積」は、円周方向の断面積なので、混同してはならない。 さて、軸方向の合計の力F[N]を式で表せば、 :<math>F =p \pi D^2 /4 </math> [N] である。 軸方向の断面で考えた管の断面積は、(これは内径の断面積でなく、管の断面積である。混同しないように注意。) :<math>\pi D t </math> である。(管の厚さが薄いので、断面積は、管の内周に厚さを掛けた値で近似できるとする計算法が、薄肉圧力容器の軸方向応力での、一般的な計算方法である。) こうすれば、軸方向の応力σ<sub>t</sub>は、 :<math> \sigma_t =\frac{p \pi D^2 /4}{\pi D t}=\frac{pD}{4t} </math> [MPa] である。 実務の際は、安全率を考慮して、応力の計算結果よりも大きめの耐久性を持たせておく必要のあることを、忘れないように。 圧力容器の実際の設計では、応力以外にも、疲労強度や熱応力など、様々な検討項目および検証項目がある。内部流体の種類によっては、化学腐食などの影響も検証しなければならない。 [[カテゴリ:高等学校工業 機械設計|あつりよくようき]]
高等学校工業 機械設計/機械要素と装置/圧力容器
に戻る。
ナビゲーション メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
議論
日本語
表示
閲覧
ソースを閲覧
履歴表示
その他
検索
案内
メインページ
最近の更新
おまかせ表示
MediaWiki についてのヘルプ
特別ページ
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
ページ情報