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高校化学 典型金属
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{{pathnav|高等学校の学習|高等学校理科|高等学校 化学|frame=1|small=1}} == アルカリ金属 == === 金属と水の反応モデル === 以降の無機化学の単元において、金属と水溶液との反応を考える上では、以下のようなモデルを用いる。※実測はされていない ある金属元素Mが水中にある。このとき、周りの水と反応することにより金属の表面が水酸化物M(OX){{sub|x}}で覆われる。(皮膜形成) この水酸化物M(OX){{sub|x}}が水に可溶ならば、水酸化物皮膜が全て水に溶けて金属の表面が露出し、水と反応して水酸化物M(OH){{sub|x}}が生成する。そしてまた水酸化物被膜が全て水に溶けて金属の表面が露出し・・・と反応を繰り返し、最終的には金属が全て水酸化物となって水に溶ける。 水に難溶ならば、水酸化物皮膜が生成した時点で反応が止まり、その金属は水と反応しない。 なお、イオン化傾向がMg以下の金属の水酸化物は水に難溶である。 === 単体 === [[File:Lithium paraffin.jpg|right|200px|thumb|リチウムの保存. <br>リチウムは密度が灯油よりも軽いため、リチウムは灯油に浮く。]] [[File:Kalium.jpg|right|150px|thumb|切断したカリウム]] 水素を除く1族元素のリチウム Li, ナトリウム Na, カリウム K, ルビジウム Rb, セシウム Cs, フランシウム Fr のことを'''アルカリ金属'''という。 アルカリ金属の単体は、いずれも銀白色の固体である。融点が低くやわらかい金属で、カッターで簡単に切断することができる。 アルカリ金属の原子は価電子を1個もち、1価の陽イオンになりやすい。 このため、アルカリ金属の原子は酸化されやすいので、天然には単体の状態では存在せず、塩として存在する。 単体を得るには、化合物の融解塩電解を行う。加熱して融解させた化合物に炭素電極を入れ、電気分解を行うと、陰極側に金属の単体が析出する。 : <chem>{X+} + {e^-} -> {X} v</chem> (XはLi、Na、Kなど) アルカリ金属は反応性が高く、イオン化傾向が大きいので還元性も高い。アルカリ金属は常温で空気中の酸素や水、塩素と簡単に反応する。特に水とは、アルカリ金属は常温で水と反応して水素を発生しながら激しく反応し、反応後の溶液は強塩基性の水溶液になる。 : <chem>4X + O2 -> 2X2O</chem> : <chem>2X + 2H2O -> 2XOH + H2 ^</chem> (XはLi、Na、Kなど) : <chem>2X + Cl2 -> 2XCl</chem> そのため、アルカリ金属の単体を保存する際には、空気中の酸素や水との反応をふせぐために'''石油中'''(灯油)に保存する。リチウムは石油よりも軽いため、石油に浮く。また、単体は素手で触れず、必ずピンセットなどを用いて扱う。 <!-- 水だけでなく、ヒドロキシル基(-OH)を持つアルコールやフェノールとも水素を発生しながら反応して、アルコキシド、フェノキシドとなる。 : 2R-OH + 2X → 2R-OX + H{{sub|2}} (Rは炭化水素基、XはLi、Na、Kなど) --> {| class="wikitable" align=right |+ アルカリ金属の単体の性質 |- |- style="background:silver" ! 元素名 !! 元素記号 !! 融点/℃ || 沸点/℃ || 密度/(g/cm<sup>3</sup>) || 炎色反応 |- | リチウム || Li || 180 || 1347 || 0.53 || 赤 |- | ナトリウム|| Na || 98 || 883 || 0.97 || 黄 |- | カリウム || K || 64 || 774 || 0.86 || 赤紫 |- | ルビジウム || Rb || 39 || 688 || 1.53 || 赤 |- | セシウム || Cs || 28 || 678 || 1.87 || 青 |- |} イオンは'''炎色反応'''を示し、白金線にイオン水溶液をつけガスバーナーの炎に入れると、リチウムイオンでは赤色に、ナトリウムイオンでは黄色に、カリウムでは赤紫色にそれぞれ炎が色づく。 {|align="center" style="border:solid #aaffaa 1px; text-align:center;" |[[File:FlammenfärbungLi.png|52px|リチウムの炎色反応]]||[[File:FlammenfärbungNa.png|50px|ナトリウムの炎色反応]]||[[File:FlammenfärbungK.png|50px|カリウムの炎色反応]] |- |Li||Na||K |} === アルカリ金属の化合物 === アルカリ金属は様々な化合物を作る。この章ではアルカリ金属の中でも、特にナトリウムの化合物について学ぶ。 ==== 水酸化物 ==== アルカリ金属の単体が水と反応すると水酸化物となる。たとえばリチウムは水酸化リチウム(LiOH)に、ナトリウムは水酸化ナトリウム(NaOH)に、カリウムは水酸化カリウム(KOH)になる。 水酸化ナトリウムの工業的な製法については、塩化ナトリウム NaCl 水溶液の電気分解によって製造される。 常温では白色の固体であり、水によく溶けて、いずれの水溶液も強塩基性を示す。このため皮膚を冒す性質があり、取り扱いに注意する。 [[ファイル:Sodium_hydroxide.jpg|右|サムネイル|200x200ピクセル|水酸化ナトリウム]] 水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの固体は吸湿性があり、空気中に放置すると水蒸気を吸収してその水に溶けてしまう。この現象を'''潮解'''(ちょうかい、deliquescenece)という。 水溶液も吸湿性があるため、長時間放置すると溶液の濃度が変化する。したがって精密さを要する実験では、直前に水溶液を調整するようにするとともに、中和滴定などにより正確な濃度を測る必要がある。 また水酸化ナトリウムは水分を吸収するだけでなく、空気中の二酸化炭素も吸収して、炭酸塩の炭酸ナトリウム(Na{{sub|2}}CO{{sub|3}})を生じる。 : <chem>2NaOH + CO2 -> Na2CO3 + H2O</chem> この性質から、二酸化炭素の吸収剤として用いられることがある。 水酸化ナトリウムの産業上の用途は、製紙業でのパルプの製造、石油の精製、繊維の製造、セッケンの製造、などで用いられている。 水酸化ナトリウムは'''苛性ソーダ'''とも呼ばれる。 ==== 炭酸塩・炭酸水素塩 ==== '''炭酸水素ナトリウム'''(NaHCO{{sub|3}})と'''炭酸ナトリウム'''(Na{{sub|2}}CO{{sub|3}})は共に白色の粉末である。工業的には'''アンモニアソーダ法'''により製造される。 ==== アンモニアソーダ法(ソルベー法) ==== アンモニアソーダ法は炭酸ナトリウムの工業的製法である。 # 塩化ナトリウムの飽和水溶液にアンモニアと二酸化炭素を通す。 <chem>NaCl + NH3 + CO2 + H2O -> NaHCO3 + NH4Cl</chem> # 炭酸水素ナトリウムを加熱する。 <chem>2NaHCO3 -> Na2CO3 + CO2 ^ + H2O</chem> [[ファイル:アンモニアソーダ法反応過程.svg|右|サムネイル|550x550ピクセル|アンモニアソーダ法の反応経路図]] ; 反応で生じた生成物は次のように再利用できる。 # 炭酸カルシウムを加熱して酸化カルシウムと二酸化炭素を得る。 #: <chem>CaCO3 -> CaO + CO2</chem> # 1.で得た酸化カルシウムに水をくわえ、水酸化カルシウムとする。 #: <chem>CaO + H2O -> Ca(OH)2</chem> # 2.で得た水酸化カルシウムを1.で得た塩化アンモニウムと反応させ、塩化カルシウムとアンモニアを得る。このアンモニアは回収して1.の反応で再利用する。 #: <chem>2NH4Cl + Ca(OH)2 -> CaCl2 + 2NH3 + 2H2O</chem> アンモニアソーダ法は全体としては、 <chem>2NaCl + CaCO3 -> Na2CO3 + CaCl2</chem> という反応式で表される。 原料がCaCO{{sub|3}}(石灰岩、秩父などで大量に採れる)とNaCl(食塩、買えなくても海水から作れる)とNH{{sub|3}}(アンモニア、ハーバー・ボッシュ法で大量生産できる)のみと非常に安価なので、アンモニアソーダ法は「安く大量生産を目指す」工業的製法としては最も理想形に近いと言われている。 ==== 炭酸ナトリウム ==== 炭酸水素ナトリウムは、熱分解して炭酸ナトリウム(sodium carbonate)となる。炭酸ナトリウムは白色の粉末で、水に溶け、水溶液は塩基性を示す。 炭酸ナトリウムは加熱しても、分解しない。 炭酸ナトリウムは弱酸と強塩基の塩であり、水に溶けると加水分解して塩基性を示す。 <chem>Na2CO3 -> 2 {Na^+} + CO3^{2-}</chem> <chem>CO3^{2-} {+} H2O <=> {HCO3^-} + OH^-</chem> 炭酸ナトリウム水溶液を冷却すると十水和物 <chem>Na2CO3*10H2O</chem> の無色透明の結晶が得られる。この <chem>Na2CO3*10H2O</chem> の結晶は空気中に放置すると水和水の大部分を失って、白色粉末の一水和物 <chem>Na2CO3*H2O</chem> となる。この現象は'''風解'''(ふうかい、efflorescence)と呼ばれる。 炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムは、ともに強酸と反応して二酸化炭素を生じる。(弱酸遊離反応) <chem>Na2CO3 + 2H2SO4 -> Na2SO4 + H2O + CO2 ^</chem> 炭酸ナトリウムは、ガラスや石鹸の製造などに用いられる。 ※ガラスの原料は二酸化珪素 <chem>SiO2</chem> であるが、これを珪酸ナトリウム <chem>Na2SiO3</chem> にする反応において、水酸化ナトリウムよりも炭酸ナトリウムの方がよく用いられる。<chem>SiO2 + NaOH -> Na2SiO3 + H2O</chem>という反応と<chem>SiO + Na2CO3 -> Na2SiO3 + CO2</chem>という反応を比べた時、左の反応は反応性が高いものの、生成された <chem>H2O</chem> が反応の系内に残るので逆反応が起こり、平衡状態となって反応が見かけ上止まってしまう。それに対し、右の反応は生成された <chem>CO2</chem> が反応の系外に脱出するので、ルシャトリエの原理により平衡が正反応の向きに偏って反応がより一層進行する。そのため、通常は炭酸ナトリウムが用いられる。 ==== 炭酸水素ナトリウム ==== 炭酸水素ナトリウム <chem>NaHCO3</chem> は白色粉末で、水に少し溶け、水溶液は加水分解により弱塩基性を示す。炭酸水素ナトリウムは'''重曹'''(じゅうそう)ともいう。(重曹は「重炭酸曹達」の略である。「重炭酸」は「炭酸水素」の別名であり、「曹達(ソーダ)」はナトリウムの和名である。) 炭酸水素ナトリウムを熱すると、分解して二酸化炭素を発生する。 <chem>2NaHCO3 -> Na2CO3 + H2O + CO2 v</chem> (上記の反応は、ソルベー法での炭酸水素ナトリウムの分解反応と同じ。) 炭酸水素ナトリウムの用途は、発泡剤やベーキングパウダー(ふくらし粉)、入浴剤の発泡剤成分、などとして用いられている。 また、強酸で、二酸化炭素を発生する。 <chem>NaHCO3 + HCl -> NaCl + H2O + CO2 v</chem> === 塩化物 === [[ファイル:NaCl-zoutkristallen_op_Schott_Duran_100_ml.JPG|右|サムネイル|200x200ピクセル|塩化ナトリウムの結晶]] 水酸化ナトリウムに塩酸を加えると、中和反応を起こし塩化ナトリウム(NaCl)を生じる。 <chem>NaOH + HCl -> NaCl + H2O</chem> 塩化ナトリウムは天然では岩塩に豊富に含まれており、食塩の主成分としても有名である。工業的には海水を濃縮することにより得られる。 塩化ナトリウムを融解塩電解すると単体のナトリウムが得られる。 <chem>2NaCl -> 2Na v Cl2 ^</chem> 塩化ナトリウム水溶液を電気分解すると、陽極から塩素が発生し、陰極から水素が発生する。このとき陰極側では水の電気分解反応が起こっており、水酸化物イオンが生じている。 <chem>2H2O -> H2 + 2 OH^-</chem> 溶液中にはナトリウムイオンが残るため、陰極付近では水酸化ナトリウムの水溶液が得られる。この原理は工業的な水酸化ナトリウムおよび塩素・水素の製造法として応用されており、陽イオン交換膜を用いることから'''イオン交換膜法'''と呼ばれる。 == 2族元素 == 周期表の2族の元素は、すべて金属元素である。2価の価電子をもち、2価の陽イオンになりやすい。天然には塩として存在している。 2族元素のことをアルカリ土類金属という<ref>アルカリ土類金属の定義として、「Be,Mgを除く2族元素」と定義しているところもある。これは、後述するようにBe,Mgとその他の2族元素の性質に異なるところがあるからである。</ref>。 === アルカリ土類金属元素 === 2族元素の単体はアルカリ金属元素の単体よりも硬い。 [[ファイル:Magburn1.jpg|右|サムネイル|250x250ピクセル|マグネシウムの燃焼]] 2族元素の単体は、いずれも、空気中で激しく燃焼して酸化物を生じる。たとえばマグネシウムは白い強い光を出しながら燃焼して白色の酸化マグネシウム(MgO)を生じる。 : <chem>2Mg + O2 -> 2MgO</chem> マグネシウムは二酸化炭素とも熱や光を出しながら激しく反応する。 : <chem>2Mg + CO2 -> 2MgO + C</chem> 2族元素の酸化物はいずれも塩基性酸化物であり、酸と反応する。たとえば酸化マグネシウムは塩酸と反応して塩化マグネシウムを生じる。 : <chem>MgO + 2HCl -> MgCl2 + H2O</chem> [[ファイル:Magnesium_chloride.jpg|右|サムネイル|200x200ピクセル|塩化マグネシウムの潮解]] 塩化マグネシウムは白色の固体であり、潮解性がある。 ベリリウム・マグネシウムとアルカリ土類金属とでは、次のような違いがある。 * '''炎色反応''' *: ベリリウムとマグネシウムの単体は、炎色反応を示さない。アルカリ土類金属元素は炎色反応を示し、イオンの水溶液を白金線の先につけてガスバーナーの炎に入れると、カルシウムでは橙赤色に、ストロンチウムでは紅色に、バリウムでは黄緑色に、それぞれ炎が色づく。 {| align="center" style="border:solid #aaffaa 1px; text-align:center;" |[[ファイル:FlammenfärbungCa.png|153x153ピクセル|カルシウムの炎色反応]] |[[ファイル:FlammenfärbungSr.png|152x152ピクセル|ストロンチウムの炎色反応]] |- |Ca |Sr |} {| class="wikitable" align="right" |+2族元素の単体の性質 |- style="background:silver" ! !元素名 !元素記号 !融点/℃ !密度/(g/cm<sup>3</sup>) !炎色反応 |- | rowspan="2" | |ベリリウム |Be |1282 |1.85 |示さない |- |マグネシウム |Mg |649 |1.74 |示さない |- | rowspan="3" |アルカリ 土類金属 |カルシウム |Ca |839 |1.55 |橙赤 |- |ストロンチウム |Sr |769 |2.54 |紅 |- |バリウム |Ba |729 |3.59 |黄緑 |- |} * 水との反応性 *: アルカリ土類金属の単体は常温で水と反応し、水素を発生する。 *:: <chem>Ca + 2H2O -> Ca(OH)2 + H2 ^</chem> *: 一方で、ベリリウムやマグネシウムの単体は常温では水と反応しない。ただし、マグネシウムは熱水と反応して水素を発生しながら水酸化物となる。 *:: <chem>Mg + 2H2O -> Mg(OH)2 + H2 ^</chem> * 硫酸塩の水への溶けやすさ *: 例外的に、硫酸ベリリウム、硫酸マグネシウムは水に溶けやすい。だが、それ以外のアルカリ土類金属の硫酸塩は水に溶けにくい。 === バリウム === 水酸化バリウムの水溶液などに希硫酸を加えると、硫酸バリウム BaSO<sub>4</sub> の白色沈殿が得られる。 硫酸バリウム BaSO<sub>4</sub> は白色の粉末で、水に溶けず、酸にも反応しない。 硫酸バリウムの実社会の用途として、医療では、この性質(水に溶けにくい、酸に反応しない、など)を利用して、人体のX線撮影の造影剤として、胃や腸など消化器官のようすを撮影するための造影剤として、硫酸バリウムは用いられる。 なおバリウムおよび硫酸バリウムは、X線を透過させにくい。そのため、X線撮影の際、人体内のバリウムのある場所でX線が遮断され、撮影装置にX線が届かなくなるので、胃や腸でのバリウムのようすが見える、という仕組みである。 === カルシウム === [[ファイル:Calcium_unter_Argon_Schutzgasatmosphäre.jpg|右|サムネイル|200x200ピクセル|カルシウムの単体]] '''カルシウム'''(Ca)はアルカリ土類金属のひとつである。単体は塩化カルシウムの融解塩電解により得られる。 [[ファイル:Big-Calcium-Bubble.ogv|右|サムネイル|250x250ピクセル|二酸化炭素の発生]] === 酸化物 === 単体を空気中で燃焼させると酸化カルシウム(CaO)を生じる。酸化カルシウムは'''生石灰'''(せいせっかい)とも呼ばれる。 : <chem>2Ca + O2 -> 2CaO</chem> 酸化カルシウムに水を加えると熱を出しながら水酸化カルシウム <chem>Ca(OH)2</chem> を生じる。水酸化カルシウムは消石灰とも呼ばれる。 : <chem>CaO + H2O -> Ca(OH)2</chem> 酸化カルシウムは水を吸収し、そのさい発熱することから、乾燥剤や発熱材として用いられる。ただし、酸性気体とは反応してしまうため、塩基性・中性気体の乾燥にしか使えない。 === 水酸化物 === 酸化カルシウムに水を加えると熱を出しながら水酸化カルシウム <chem>Ca(OH)2</chem> を生じる。 : <chem>CaO + H2O -> Ca(OH)2</chem> 逆に、水酸化カルシウムを加熱すると酸化カルシウムが得られる。 : <chem>Ca(OH)2 -> CaO + H2O</chem> 水酸化カルシウムはカルシウムを水と反応させることによっても得られる。 : <chem>Ca + 2H2O -> Ca(OH)2 + H2 ^</chem> 水酸化カルシウムは白色の粉末であり、消石灰とも呼ばれる。水酸化カルシウムの水溶液は塩基性を示し、一般に石灰水(lime water)と呼ばれる。 石灰水に二酸化炭素を通じると、炭酸カルシウムの白色沈殿を生じて白濁する。この反応は二酸化炭素の検出に用いられる。 : <chem>Ca(OH)2 + CO2 -> CaCO3 v + H2O</chem> しかし、白濁した石灰水にさらに二酸化炭素を通じ続けると、炭酸水素カルシウムとなって沈殿は溶解し、無色の水溶液になる。 : <chem>CaCO3 + CO2 + H2O -> Ca(HCO3)2</chem> この炭酸水素カルシウム水溶液を加熱すると、再び炭酸カルシウムの沈殿が生じる。 : <chem>Ca(HCO3)2 -> CaCO3 v + CO2 ^ + H2O </chem> 水酸化カルシウム水溶液に塩酸を加えると、塩化カルシウムを生じる。塩化カルシウムは吸湿性があり、乾燥剤としてしばしば用いられる。 : <chem>Ca(OH)2 + 2HCl -> CaCl2 + 2H2O</chem> 水酸化カルシウム水溶液に塩素を通じると、[[高等学校化学I/非金属元素の単体と化合物#塩素のオキソ酸|さらし粉]]を生じる。 : <chem>Ca(OH)2 + Cl2 -> CaCl(ClO)*H2O</chem> 水酸化カルシウムは漆喰に使われている。 === 塩化物 === 塩化カルシウム CaCl{{sub|2}}は、エンカルという名称で用いられる。 使用用途は乾燥剤と融雪剤である。中性なのであらゆる気体の乾燥に使えるが、唯一アンモニアとは反応してしまうためアンモニアの乾燥はできない。 夏にエンカルをグラウンドに撒くことがある。これは、大気中の水分をエンカルが吸うことにより、地表が湿って砂埃が舞うのが抑えられるためである。 === 炭酸塩 === 炭酸カルシウム CaCO{{sub|3}} の固体は、天然には石灰岩や大理石として存在する。 鍾乳洞(しょうにゅうどう)や鍾乳石(しょうにゅうせき)は、炭酸カルシウムが地下水にいったん溶けて、水中で炭酸水素ナトリウムとなり、その後、炭酸カルシウムに戻り、再度、固まったものでる。 炭酸カルシウムは塩酸などの強酸と反応して、二酸化炭素を発生する。 : <chem>CaCO3 + 2HCl -> CaCl2 + H2O + CO2 ^</chem> 炭酸カルシウムは、セメントの原料や、チョークの原料、ガラスの原料、歯みがき粉の原料などとして、使われている。 === 硫酸塩 === 水酸化カルシウム水溶液に硫酸を加えると、硫酸カルシウム CaSO{{sub|4}} の白色沈殿を生じる。硫酸カルシウムは天然には二水和物が'''セッコウ'''(石膏)として存在する。セッコウを約130℃で焼くことにより、二分の一水和物である'''焼きセッコウ'''の白色粉末となる。 : <chem>Ca(OH)2 + H2SO4 -> CaSO4 + 2H2O</chem> 焼きセッコウの粉末に水を少量まぜると、硬化して、体積が少し増え、セッコウになる。セッコウ像(塑像)や医療用ギプスは、この性質を利用している。ただし、重量があるせいなのかギプスとしての用途は近年薄れてきている。その代わり、建材としての用途が増えてきた。 カルシウムやバリウムの硫酸塩は水に溶けにくく、この性質は陽イオンの系統分離において重要である。また日常生活においても重要で、硫酸カルシウムは建築材や医療用ギプスに、硫酸バリウムBaSO<sub>4</sub>はX線撮影の造影剤として用いられる。 === 発展: 硬水と軟水 === Ca{{sup|2+}}やMg{{sup|2+}}を多く含む水を'''硬水'''という。それらが少量しか含まれていない水のことを'''軟水'''という。 日本では一般に、地下水には硬水が多い。日本では河川水には軟水が多い。 また、硬水を飲むと、下痢を起こしてしまう。なので、食用には硬水は不適切である。 しかし、農業用水に硬水を使う分には問題がない。 もしボイラーで硬水を使うと、沈殿が残るので、配管の詰まりを起こしやすく、危険であり不適切である。 工業用水や生活用水には、硬水は不適切である。 大陸の河川水では、硬水が多い。その理由は、大陸の河川水は緩流なので、鉱物質が溶けこんでいるので、硬水が多い。 いっぽう、日本では急流が多いことが、日本の河川水に軟水が多い。{{コラム|水の硬度|水溶液中のイオン <chem>Ca^2+</chem> や <chem> Mg^2+</chem> がすべて <chem>CaCO3</chem> として存在していると考えたときの <chem>CaCO3</chem> の 1L 当たりの質量を mg で表した数値を硬度という。 基本的に水の硬度の数値が低いほど軟水である。いっぽう、水の硬度の数値が高いと硬水である。 ::硬度60までが軟水。 ::硬度120以上は硬水。 ::硬度60~120は中硬水というのに分類する。 ::なお、フランスノミネラルウォーターの「エビアン」は硬度が約300であり、硬水である。フランスでも、ボルヴィック(ミネラルウォーターの商品のひとつ)は硬度が約60で、軟水に近い。}} === ※ 範囲外: === ベリリウムとマグネシウムは、金属に分類されている(高校教科書でも、ベリリウムなどは金属に分類されている。)。しかし、上述のように特殊な性質を示すこともあり、一説には、ベリリウムはやや共有結合よりの金属結合をしている中間的な結合であるかもしれないと解釈する理論も存在する。(※ 参考文献: 東京化学同人『無機化学 - その現代的アプローチ -』、第二版、94ページ ) ベリリウムに他の金属が衝撃的にぶつかっても火花が飛び散りづらい性質があるので、そのため特殊なカナヅチの材料としてベリリウム系の合金(ベリリウムと銅の合金)が使われていることも多い。 またベリリウムはX線および電磁波を透過するので、X線管の材料のうち、X線を透過させたい部分の材料に使われる。 天然では、宝石のエメラルドにベリリウムが含まれる。 なお、化学的には、ベリリウムはアルミニウムに近い反応をすることも多い。(※ 参考文献: 東京化学同人『無機化学 - その現代的アプローチ -』、第二版、94ページ ) エメラルドにも、アルミニウムは含まれる。(エメラルドの主成分は、シリコンとアルミニウムとベリリウムである。) ==== 耐火レンガ ==== 酸化マグネシウム MgO は融点が高く(約2800℃)、耐火レンガやるつぼの材料などに用いられている。(※ 数研出版のチャート式にこのように書かれている。) ; 熱の伝わりやすさの調節 (チャート式などでは範囲外(普通科高校の範囲外)なので触られてないが)、耐火レンガの材料などに酸化マグネシウムや酸化アルミニウムなどが用いられる理由のひとつとして、融点の高さのほかにも、熱の伝わりやすさという、重大な理由がある。(※ 工業高校などの一部の学科で習う。)(※参考文献: 文部科学省著作教科書『セラミック工業』平成15年3月25日 初版発行、平成18年1月25日、実教出版 発行、188ページや203ページなど。)転炉や電気炉で近年、マグネシアカーボンれんが が用いられているという。なお、高炉はアルミナ質れんが や 炭化ケイ素れんが が用いられているという。また、製鉄の溶融スラグは塩基性であると考えられており、酸化マグネシウムは耐塩基性としての耐腐食性が高い(つまり、腐食しにくい)と考えられていることも、各所で酸化マグネシウムが使われる一因である。 もし るつぼ等の使用中に高熱が一箇所に蓄積すると、るつぼ等が溶融してしまい破壊されてしまうので、熱を伝えやすい材料を適切な場所に用いることで、るつぼ等の寿命をのばしているのである。 酸化マグネシウムや酸化アルミニウムなど、いちぶの金属の酸化物は(金属酸化物を含まない単なる粘土レンガと比べれば)比較的に熱を伝えやすい。 名前こそ「耐火」レンガであるが、酸化マグネシウムを含まないからといって、耐熱性が低いわけでもないし、燃えやすいわけでもない。 酸化マグネシウム系レンガなどが必要とされる本当の理由は、熱を分散・拡散しやすいことである。 : ※ 『耐火レンガ』という名称が、あまり適切ではないかもしれないが、社会では、この名前で定着してしまっている。 耐火レンガを作る際、そもそもレンガの母材として粘土が必要であるが、それに酸化マグネシウムや酸化アルミニウムなどを適量に混ぜることで、熱の伝わりやすさを調節して、耐火レンガは設計される。 == アルミニウム == '''アルミニウム Al''' は13族の金属元素で、価電子を3個もち、3価の陽イオンになりやすい。 銀白色の軽い金属である。展性や延性が大きく、薄く伸ばしたものはアルミニウム箔(いわゆるアルミホイル)として一般家庭でも用いられている。また、電気伝導性も良く、熱伝導性も良い。熱伝導性が良いことから、鍋などにも用いられる。 アルミニウムの単体を空気中に放置すると、表面に緻密な酸化膜(酸化アルミニウム Al{{sub|2}}O{{sub|3}} )の被膜ができ、内部を保護する。 アルミニウムやマグネシウムを主成分とする合金である'''ジュラルミン'''は軽量かつ強度が高く、航空機に用いられている。アルミニウム自体も、アルミ缶や1円硬貨に用いられている。 === 製法 === ==== バイヤー法 ==== アルミニウムの天然の鉱石は'''ボーキサイト'''(bauxite)といい、ボーキサイトの化学式はAl<sub>2</sub>O<sub>3</sub>・nH<sub>2</sub>Oである。ボーキサイトに濃い水酸化ナトリウム溶液NaOHを加えてアルミン酸ナトリウム2Na[Al(OH)<sub>4</sub>]が得られる。正確にはテトラヒドロキソアルミン酸ナトリウムという。 : <math>\mathrm{ Al_2O_3 + 2NaOH + 3H_2O \rightarrow 2Na[Al(OH)_4] } </math> アルミン酸ナトリウム2Na[Al(OH)_4]の溶液を冷却し、加水分解がおこると水酸化アルミニウムAl(OH)<sub>3</sub> の沈殿が析出する。 : <math>\mathrm{ Na[Al(OH)_4] \rightarrow Al(OH)_3+ NaOH } </math> 生じたAl(OH)<sub>3</sub> を分離して、このAl(OH)3を1200 ℃に加熱して酸化アルミニウム <chem>Al2O3</chem> にする。 これらのボーキサイトからアルミナまでの工程を'''バイヤー法'''という。 Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub> は'''アルミナ'''という。アルミナは融点が 2027 ℃ と高いので、融点を次の融解塩電解という処理で下げる。 ==== 溶融塩電解 ==== [[ファイル:Mineraly.sk_-_bauxit.jpg|代替文=ボーキサイト|サムネイル|200x200ピクセル|ボーキサイト]] 鉱石の'''ボーキサイト'''(bauxite、主成分: 酸化アルミニウム <chem>Al2O3</chem>)を処理して酸化アルミニウム <chem>Al2O3</chem> にかえたあと、氷晶石(<chem>Na3AlF6</chem>、ヘキサフルオロアルミン酸ナトリウム)とともに熔融塩電解して製造される。('''エルー・ホール法''') : <chem>Al^3+ + 3e^- -> Al v</chem> アルミニウムの電解には、大量の電力が必要となる。 [[ファイル:Cut_Ruby.jpg|代替文=ルビー|サムネイル|150x150ピクセル|ルビー]] [[ファイル:SaphirSynthetique.jpg|代替文=サファイア|サムネイル|150x150ピクセル|サファイア]] 製造の過程で得られる酸化アルミニウム <chem>Al2O3</chem> は水に溶けにくい白色の固体である。酸化アルミニウムは'''アルミナ'''とも呼ばれ、融点が非常に高い(アルミナの融点は2054℃)ことから耐熱材の原材料としても用いられるほどである。氷晶石は、このアルミナの融点を降下させるために加えられる。 アルミニウムの粉末は、空気中または酸素中で熱すると、激しく燃える。 * ボーキサイトから酸化アルミニウムを得る方法 (※ 教科書の範囲外。資料集(実教出版など)の範囲内。文献により、方法が若干、違う。) 濃い水酸化ナトリウム水溶液でボーキサイト中の酸化アルミニウムが溶け、ほかの不純物はあまり溶けない。まず、この水酸化ナトリウム水溶液で酸化アルミニウムを溶かして アルミン酸ナトリウム <chem>Na[Al(OH)4]</chem> を得る。 : <chem>Al2O3 + 2NaOH + 3H2O -> 2 Na[Al(OH)4]</chem> (ここまでは、どの文献でも、ほぼ同じ。) まず、ろ過をして、溶液から、不溶性の <chem>Fe2O3</chem> などの余計な不純物を取り除く。 あとは、このアルミン酸ナトリウム水溶液をうまく処理し、アルミナに変えていく方法が必要なのである。 まず、アルミン酸ナトリウム <chem>Na[Al(OH)4]</chem> 水溶液から、なんらかの方法で、加水分解を起こし、水酸化アルミニウム <chem>Al(OH)3</chem> を沈殿させる。 : <chem>Na[Al(OH)4] -> Al(OH)3 + NaOH</chem> あとは、この水酸化アルミニウムを高温で焼成すると、純度の高い酸化アルミニウムが得られる。 * テルミット法 また、アルミニウム単体の粉末と、酸化鉄 <chem>Fe2O3</chem> など他の金属酸化物の粉末を混合して、加熱すると、アルミニウムが激しく酸化され、ほかの金属酸化物が還元され、金属単体が得られる。たとえば酸化鉄(Ⅲ)とアルミニウムを混合して加熱すると、鉄が得られる。 : <chem>2Al + Fe2O3 -> Al2O3 + 2Fe v</chem> これを'''テルミット法'''といい、レールの熔接などに用いられる。 両性元素 アルミニウムは両性元素であり、酸とも塩基とも反応して水素を生じる。たとえば、塩酸と反応して水素を発生しながら塩化アルミニウムを生じる。 : <chem>2Al + 6HCl -> 2AlCl3 + 3H2 ^</chem> また、水酸化ナトリウム水溶液と反応して、水素を発生しながらテトラヒドロキソアルミン酸イオンを生じる。 : <chem>2Al + 2NaOH + 6H2O -> 2Na+ + 2[Al(OH)4]^- + 3H2 ^</chem> しかし、アルミニウムは濃硝酸に溶けない。これは、反応開始直後に金属表面に緻密な酸化被膜を形成し、反応が金属内部まで進行しなくなるためである。このように、緻密な酸化皮膜により保護されて、それ以上は反応が進行しない状態を'''不動態'''(ふどうたい)という。 '''アルマイト'''という材料は、アルミニウムの表面を人工的に酸化させることで厚い不動態の膜で保護させ、そのアルミニウムの耐久性を上げた材料であり、日本で開発された。 イオン アルミニウムイオン <chem>Al^3+</chem> の水溶液は無色透明である。これに水酸化ナトリウム水溶液を少量加えると、水酸化アルミニウムの白色ゼリー状沈殿を生じる。 : <chem>Al^3+ + 3 NaOH -> 3 Na+ + Al(OH)3 v</chem> しかし、水酸化ナトリウム水溶液を過剰に加えると、沈殿は溶解して無色の水溶液となり、テトラヒドロキソアルミン酸イオンを生じる。 : <chem>Al(OH)3 + NaOH -> Na+ + [Al(OH)4]^-</chem> テトラヒドロキソアルミン酸イオン水溶液に塩酸を加えると、逆に水酸化アルミニウムの白色沈殿を生じ、過剰に加えれば塩化アルミニウムを生じる。塩化アルミニウムは潮解性のある白色の固体であるが、水に溶けやすく、電離してアルミニウムイオンを生じる。 === 水酸化アルミニウム === アルミニウムイオンを含んだ水溶液に、塩基を加えると、水酸化アルミニウム <chem>Al(OH)3</chem> の白色ゲル状の沈殿が生じる。 水酸化アルミニウムを熱すると、酸化アルミニウム <chem>Al2O3</chem> が生じる。 水酸化アルミニウム <chem>Al(OH)3</chem> は酸とも塩基とも反応して溶けることのできる、両性水酸化物である。 : <chem>Al(OH)3 + 3HCl -> AlCl3 + 3H2O</chem> : <chem>Al(OH)3 + NaOH -> Na[Al(OH)4]</chem> === 酸化アルミニウム === 酸化アルミニウム <chem>Al2O3</chem> は、'''アルミナ'''(alumina)とも呼ばれ、白色の粉末で、水に溶けない。また、融点が高い(融点:2054℃)。 酸化アルミニウム <chem>Al2O3</chem> は、酸にも強塩基にも溶ける両性酸化物であるが、アンモニア水には溶けない。 : <chem>Al2O3 + 6HCl -> 2AlCl3 + 3H2O</chem> : <chem>Al2O3 + 2NaOH + 3 H2O -> 2Na[Al(OH)4]</chem> また、たとえば宝石のルビーやサファイアは、酸化アルミニウムが主成分の結晶である。酸化アルミニウムの結晶のうち、ごく微量のクロムやチタンなどの金属が混入したものが、赤いルビーや青いサファイアであり、ともに、かなり硬い。また、酸にも塩基にも、ルビーやサファイアは溶けない。 なお、ルビーにはクロム Cr が、サファイアには鉄 Fe やチタン Ti が含まれている。{{コラム|人工宝石|:※ 『科学と人間生活』(啓林館など)に記述がある。 ルビーやサファイアなどは組成がわかっているので、人工的に作ることもできる。 材料であるアルミナやクロムまたは鉄などに高温や高圧などを加えて熱することで、人工的にルビーやサファイアなどを作ることができる。 このように、人工的につくった宝石のことを人工宝石といい、さまざまな分野に応用されている。 また、アルミナ化合物ではないが、ダイヤモンドや水晶などアルミナ以外の宝石でも、人工的につくることができる。 人工ダイヤや人工水晶も、人工宝石に含める。 なお、人工ダイヤモンドは、その硬さを活用して、工場などの大型の回転カッターなどの切れ味を増すための材料などとして、刃先に人工ダイヤのある刃物が応用されている(いわゆるダイヤモンドカッター)。}} === ミョウバン === [[ファイル:Alun.jpg|代替文=ミョウバンの結晶|サムネイル|200x200ピクセル|ミョウバンの結晶]] 硫酸カリウム水溶液と硫酸アルミニウム水溶液とを混合して濃縮して得られる結晶は、硫酸カリウムアルミニウム十二水和物 AlK(SO{{sub|4}}){{sub|2}}・12H{{sub|2}}O の結晶であり、この硫酸カリウムアルミニウム十二水和物を'''ミョウバン'''(明礬)という。 ミョウバンの結晶は無色透明で正八面体形をしている。 ミョウバンを水に溶かすと、<chem>Al^3+</chem> 、<chem>K^+</chem> 、<chem>SO4^2-</chem> の各イオンに電離する。 <chem>AlK(SO4)2*12H2O -> {Al^3+} + {K^+} + 2 {SO4^{2-}} + 12 H2O</chem> ミョウバンのように、2種類以上の塩が結合して物質を'''複塩'''(ふくえん、double salt)という。 ミョウバンを焼くと、無水物である焼きミョウバンが得られる。ミョウバンは温度による溶解度の変化が激しく、低温の水には少量しか溶けないが、温度を上げるとよく溶けるようになる。 === 補:両性金属の反応モデル === [[高校化学 典型金属#金属と水の反応モデル]]において、水酸化物皮膜を用いて金属と水の反応を説明した。 ここでは、同様にして両性金属元素の反応モデルを考える。 水中にある金属Mは水と反応して表面に水酸化物M(OH){{sub|x}}の皮膜を作る。 ここで、酸HXを加えると水酸化物皮膜と反応して塩が生成される。塩は完全に電離するので金属の表面が露出し、水酸化物皮膜が生成される。また水酸化物が酸と反応して金属の表面が露出し・・・と反応が進行し、最終的に全て塩となって水に溶ける。 また、塩基YOHを加えると、水酸化物イオンと水酸化物が反応して錯イオンを形成する。錯イオンは水に可溶なので金属の表面が露出し(以下略)と反応が進行し、最終的に全て錯イオンとなって水に溶ける。 == スズと鉛 == スズ Sn と鉛 Pb は、ともに周期表14族であり、原子は価電子を4個もち、ともに酸化数が+2または+4の化合物をつくり、ともに両性元素であり、ともにイオン化傾向は水より大きい。 === スズ === [[ファイル:Metal_cube_tin.jpg|代替文=スズ|サムネイル|200x200ピクセル|スズ]] スズ(Sn)は銀白色の固体である。展性や延性に富み、また比較的さびにくい金属である。酸とも塩基とも反応して、水素を発生する。 : <chem>Sn + 2HCl -> SnCl2 + H2</chem> : <chem>Sn + 2NaOH + 2H2O -> [Sn(OH)4]^2- + 2 Na^+ + H2</chem> スズは、青銅やハンダなど合金の材料でもある。 また、スズはメッキに多用される。鉄にスズをメッキしたものは'''ブリキ'''と呼ばれ、缶詰や金属玩具などに用いられる。 {| align="center" style="border:none; text-align:center;" |[[ファイル:Assorted_bronze_castings.JPG|右|サムネイル|183x183ピクセル|青銅]] |[[ファイル:HK_Food_Grass_Jelly_Canned_with_Tinplate_a.jpg|右|サムネイル|201x201ピクセル|ブリキの缶詰]] |} === スズの化合物 === 化合物中でのスズの酸化数には +2 と +4 があるが、酸化数+4 のほうが安定である。 スズを塩酸に溶かした溶液から、塩化スズ <chem>SnCl2</chem> が得られる。 塩化スズ(II)二水和物 <chem>SnCl2*2H2O</chem> は無色の結晶。また、水溶液は還元作用がある。 : <chem>SnCl2 + 2Cl^- -> SnCl4 + 2e^-</chem> === 鉛 === [[ファイル:Metal_cube_lead.jpg|代替文=鉛|サムネイル|200x200ピクセル|鉛]] '''鉛''' Pb は青白色のやわらかい金属である。鉛とその化合物は有毒である。 鉛は、両性元素であり、硝酸、強塩基の水溶液と反応して溶ける。しかし、硝酸と希薄硫酸には、鉛の表面に難溶性の皮膜(塩化鉛 PbCl<sub>2</sub> や、硫酸鉛 PbSO<sub>4</sub> の皮膜は、水に難溶)が発生するため、溶けない。 <chem>Pb + 2HNO3 -> Pb(NO3)2 + H2</chem> <chem>Pb + 2NaOH + 2H2O -> [Pb(OH)4]^2- + 2Na^+ + H2</chem> ただし、塩酸と希硫酸には溶けない。また、アンモニア水のような弱塩基にも溶けない。 酸化鉛PbOは黄色く、古くは、黄色の顔料として用いられた。 鉛は放射線の遮蔽材や鉛蓄電池に使われている。 鉛の化合物は水に溶けにくいものが多いが、硝酸鉛 <chem>Pb(NO3)2</chem> や酢酸鉛 <chem>(CH3COO)2Pb</chem> は水によく溶ける。 === イオン === 鉛(II)イオン <chem>Pb^2+</chem> は様々な沈殿を作る。アンモニア水や少量の水酸化ナトリウム水溶液を加えると、水酸化鉛(II)の白色沈殿を生じる。 : <chem>Pb^2+ + 2OH^- -> Pb(OH)2 v</chem> ただし、水酸化ナトリウム水溶液を過剰に加えると、テトラヒドロキソ鉛(II)酸イオンを生じて溶ける。 : <chem>Pb(OH)2 + 2NaOH -> 2Na^+ + [Pb(OH)4]2-</chem> 鉛(II)イオン水溶液に塩酸を加えると、塩化鉛(II)の白色沈殿を生じる。 : <chem>Pb^2+ + 2HCl -> 2 H^+ + PbCl2 v</chem> これを加熱すると、鉛(II)イオンを生じて溶ける。 : <chem>PbCl2 -> Pb^2+ + 2Cl^-</chem> 鉛(II)イオン水溶液に希硫酸を加えると、硫酸鉛(II)の白色沈殿を生じる。 : <chem>Pb^2+ + H2SO4 -> 2H^+ + PbSO4</chem> 鉛(II)イオン水溶液に硫化水素を加えると、硫化鉛(II)の黒色沈殿を生じる。 : <chem>Pb^2+ + H2S -> 2H^+ + PbS v</chem> 鉛(II)イオン水溶液にクロム酸カリウム水溶液を加えると、クロム酸鉛(II)の黄色沈殿を生じる。 : <chem>Pb^2+ + CrO4^2- -> PbCrO4 v</chem> 鉛(II)イオン水溶液にヨウ化カリウム水溶液を加えると、ヨウ化鉛(II)の黄色沈殿を生じる。 : <chem>Pb^2+ + 2I^- -> PbI2</chem> == セラミックス == ガラス、セメント、陶磁器などのように、無機物質に加熱処理などしたものを、'''セラミックス'''という。 また、このようなセラミック製品を製造する産業を、セラミック産業または窯業(ようぎょう)という。 窯は「かま」の事である。 原材料にケイ酸塩化合物を用いることが多いことから、ケイ酸塩工業ともいう。 === 共通する性質 === セラミックスには多くの種類があるが、多くのセラミックス材料に共通する性質として、 : ・ 力をくわえても変形しづらい。延性・展性は無い : ・ 絶縁体である : ・ 耐熱性に優れる。しかし、急激な温度変化に対しては弱い : ・ 錆びない : がある。 なお、硬いという長所は、加工が難しいという短所でもある。 === セメント === 水を加えると硬化するものを'''セメント'''という。建築材料として用いられる'''ポルトランドセメント'''は、石灰石、粘土(SiO<sub>2</sub>, Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>など)、酸化鉄Fe<sub>2</sub>O<sub>3</sub>などを粉砕して混合したのち、1500 ℃で加熱したものに、少量の石膏(CaSO<sub>4</sub>・2H<sub>2</sub>O)を加えて粉砕したものである。製造のとき、石灰石が高熱で処理され、酸化カルシウム <chem>CaO</chem> になる。 砂利、砂、水をセメントで固めたものを'''コンクリート'''という。また、セメントに砂を混ぜたものは、'''モルタル'''という。 [[ファイル:Liepaja_Karosta_falochron_polnocny_2.jpg|サムネイル|コンクリートで作られた消波ブロック]] セメントやコンクリートには、カルシウム Ca が含まれている。 石膏は、硬化を遅らせて調節するために添加されている。 コンクリートは圧縮の力には強いが、引っ張りの力には弱いので、引っ張りに強い鉄筋を入れた鉄筋コンクリート(reinforced concrete, RC)として用いる。 コンクリートは、材料中の水酸化カルシウム Ca(OH)<sub>2</sub> により、塩基性を示す。また、この塩基性により、内部の鉄筋が酸から保護される。空気中の酸性物質などにより、コンクリートはしだいに中性に中和されていき、そのため強度がしだいに低下していく。また、鉄筋を保護していたコンクリートが劣化すると、内部の鉄筋も酸に腐食されやすくなる。 === ガラス === ガラスはケイ酸塩を主成分として、ナトリウム Na、カリウム Kなどを含んでいる。 [[ファイル:Chartres_RosetteNord_121_DSC08241.jpg|サムネイル|503x503ピクセル|ステンドグラスには金属酸化物で着色されたガラスが使用されている。]] ガラスの結晶構造は不規則であり、一定の融点を持たない。高温にすると、やわらかくなり水あめのように軟らかくなる。冷えると固まる。 ガラスの結晶のように、不規則なまま硬化している結晶構造を、'''アモルファス(非晶質)'''という。 ガラスは無色透明であるが、金属酸化物を加えることで着色することができる。 ほぼ二酸化ケイ素だけで出来ている高純度のガラスを、'''石英ガラス'''といい、紫外線の透過性が高く、また耐熱性も高いので、光学機器や耐熱ガラスや光ファイバーなどに利用されている。 しかし、石英ガラスは耐熱性が高すぎるため融点が高く、製造時の溶融加工が容易でないので、一般のガラス製品には添加物をくわえて融点を下げたソーダ石灰ガラスなどが用いられている。 窓ガラスなどに用いられる一般のガラスは、ソーダ石灰ガラスであり、<chem>SiO2</chem> のほか、<chem>Na2O</chem> と<chem>CaO</chem> を主成分としている。 このソーダ石灰ガラスの製法は、珪砂(主成分 <chem>SiO2</chem>)に、炭酸ナトリウム <chem>Na2CO3</chem> や石灰石を添加して作る。 [[ファイル:Schott_Duran_glassware.jpg|サムネイル|ホウケイ酸ガラスの実験器具]] ガラスを高温に熱していったとき、ガラスが軟らかくなり始める軟化点または軟化温度という。ソーダ石灰ガラスの軟化点は630 ℃だが、石英ガラスの軟化点は1650 ℃である。 理科実験などで用いるビーカーやフラスコなど、理科学器具に用いられるガラスの材質には、ホウケイ酸ガラスが用いられている。 ホウケイ酸ガラスは、ホウ砂(主成分 B<sub>2</sub>O<sub>3</sub>)とケイ砂からなるガラスである。ホウケイ酸ガラスは熱膨張率が低く、そのため耐熱性も高く、耐食性も高いことから、理科実験器具用のガラスとして用いられている。 酸化鉛 PbO を含んだ鉛ガラスは密度が大きく、また、X線など放射線の吸収能も大きいため、放射線遮蔽窓として用いられる。 また、鉛ガラスは屈折率が大きいため、光学レンズとしても用いられる。 === 陶磁器 === 粘土や砂、岩石の粉などを焼き固めて、陶磁器がつくられる。 [[ファイル:Chinese_-_Dish_with_Flowering_Prunus_-_Walters_492365_-_Interior.jpg|サムネイル|清の磁器]] 陶器は約1000℃で焼き固めてて作られる。磁器は陶石を原料として、700~900℃で素焼き(釉薬をかけずに焼く)したのち、釉薬を塗り、1100℃~1500℃で本焼きをする。磁器は硬く、白色で吸水性がない。叩くと金属音を発する。原料にガラス成分が少ないと陶器となり、ガラス成分が十分に含まれている場合、磁器となる。 [[ファイル:Covered_Jar,_Imari_ware,_Edo_period,_18th_century,_Chinese_lion_and_phoenix_design_in_underglaze_blue_and_overglaze_enamel_-_Tokyo_National_Museum_-_DSC05337.JPG|サムネイル|伊万里の磁器({{Ruby|色絵獅子鳳凰文有蓋大壺|いろえししほうおうもんゆうがいたいこ}} 東京国立博物館蔵)]] また、土器は600℃から900℃で素焼きした陶磁器である。 [[ファイル:火焔土器-“Flame-Rimmed”_Cooking_Vessel_(Kaen_doki)_MET_2015_300_258_Burke_website.jpg|サムネイル|縄文時代の土器]] 焼き固めとは、高温にすることで、粒子の表面が部分的に融け、そのあと冷ましていくことで、粒子どうしが接着する。 これらの焼き物の表面には、焼く前に、石英などの粉末からなる{{Ruby|釉薬|ゆうやく}}<ref>上薬(うわぐすり)とも</ref>が表面に塗られる。高温にすると釉薬が融けガラスになる。表面がガラスで保護されることで吸水性がなくなる。 === アルミナ === Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>は硬くて丈夫なので、さまざまな材料に用いられる。 研磨剤にも、アルミナは用いられている。 * 電気工業への応用 アルミナは絶縁性も高く、そのためICチップなどの絶縁材にも用いられる<ref>『セラミック材料』、工業高校教科書、文部科学省</ref>。 アルミナは熱伝導性も比較的よく、そのため電気回路で生じたジュール熱を外部に放散しやすいので、温度上昇による誤動作を防ぎやすい。 * 医療への応用 また、医療用の人工骨などにアルミナ材料の人工骨を用いてても、拒否反応などを起こさず、生体適合性が良い。なお、自然には人体にアルミナは接着しないので、ボルトなどで人工的に人工骨を既存の骨に固定する必要がる。 === ニューセラミックス === * 酸化ジルコニウム 酸化ジルコニウム ZrO<sub>2</sub> およびそれに添加物を加えた材料では、結晶中に自然に生じた欠陥が、まるでシリコン半導体でいう導電性を高めるための添加物と似た役割を生じて、酸化ジルコニウム中の欠陥が酸化ジルコニウムの導電性に影響を与える。その結果、酸化ジルコニウムは、空気中の酸素濃度により導電性が変わる。このため、酸化ジルコニウムは酸素センサとして用いられる。 * 酸化チタン 酸化チタン TiO<sub>2</sub> は、光が当たると、有機物を分解する。この有機物の分解作用のため、光の当たった酸化チタンは、殺菌や消臭などの効果をもつ。酸化チタンそのものは減らずに残り続けるので、触媒的に働くことから、このような光のあたった酸化チタンによる分解作用が、'''光触媒'''と呼ばれる。 この分解のエネルギー源は、酸化チタンが紫外線を吸収し、そのエネルギーによって酸化チタンの酸化力が高まり、そして有機物を分解する。 さて太陽電池としても、酸化チタンは利用されている。酸化チタンそのものは紫外線しか吸収しないため効率が低いため、色素を添加して、色素に可視光を吸収をさせて、そのエネルギーを酸化チタンが利用できるように工夫した太陽電池が開発されており、色素増感型太陽電池と言われている。 また、色素と光によってエネルギーを得る仕組みが、植物の光合成の仕組みに似ていることから、生物学的にも興味を持たれている。 この他、酸化チタンは白色であり、人体に無害なので、化粧などの白色顔料としても用いられている。 このほか、超親水性という性質があり、水に濡れても水滴にならず、水が全体に広がるので、自動車のフロントガラスなどの添加剤に応用されている。 * 酸化スズ SnO2 酸化スズ SnO2 では、表面に酸素を吸着する性質がある。そして、プロパンガスや一酸化炭素などにさらされると、吸着された酸素が燃焼して、もとの酸化スズに戻る。この吸着と酸素の離脱のさい、導電性が変わるため、プロパンガスなど可燃性ガス濃度を測るセンサーとして用いられる。 * セラミック製コンデンサー そもそもコンデンサーには、電気を通さない性質が求められる。つまりコンデンサーの材料は、絶縁物質であるべきである。そもそも、コンデンサーは、誘電分極(ゆうでん ぶんきょく)を利用した素子だから。もし、金属のように電気を通してしまうと、そもそもコンデンサーとしての役割を持たない。 セラミックは電気を通さないため、コンデンサーとして利用されている。 なお、セラミックは、絶縁材料としても、活用される。 コンデンサー材料としては、チタン酸バリウム BaTiO<sub>3</sub> などがある。 * 圧電性セラミックス チタン酸ジルコン酸鉛 PbTiO<sub>3</sub> や チタン酸バリウム BaTiO<sub>3</sub> などに圧力をくわえると、電圧が発生する。これを利用して、圧力センサーなどに用いる。なお、チタン酸バリウムは、コンデンサー材料としても用いられている。このように、圧電の仕組みと、コンデンサーの誘電分極の仕組みとは、関連性がある。 なお、このような圧電性の材料に交流電圧をくわえると、振動をすることから、音波や振動の発生源としても用いられる。さらに、振動の共振周波数(その物体が振動しやすい周波数)が、その振動体に加えられた圧力や荷重などの外部の力によって変化することから、圧力センサーなどにも圧電材料が応用されている。 * 生体セラミックス ハイドロキシアパタイトは、骨の主成分でもある。そのため、ハイドロキシアパタイトでつくった人工骨は、もともとの骨に接着しやすく、拒否反応なども起こりにくいので、医療用の人工骨などに利用される。なお、拒否反応などが無く、生体に接着しやすい性質を、生体親和性という。 * 炭化チタンTiC、炭化ホウ素B<sub>4</sub>C 炭化物のセラミックスの中には、硬度がかなり高く、また適度に靭性もあり、丈夫なものがある。このため、炭化チタン TiC などは切削工具などに用いられる。炭化ケイ素や窒化ケイ素なども、耐熱性が高い。 自動車エンジンやガスタービンなどに、これらの耐熱セラミックスが用いられる。 === 半導体およびセラミックの温度-電気特性 === 半導体や、いくつかのセラミックスには、温度の上昇にともなって、電気抵抗が下がるものがある。 なお、金属では、温度が上がると、電気抵抗が上がる。 半導体やセラミックスの、このような、温度上昇にともなって電気抵抗が下がる特性が実用化されており、電子機器での温度変化時の電圧など出力の安定化のための部品に利用したり、あるいは温度センサなどに利用されたりしている。 [[カテゴリ:高等学校化学|てんけいきんそく]]
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