化学熱力学/定積過程・断熱過程・定圧過程・等温過程のソースを表示
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化学熱力学/定積過程・断熱過程・定圧過程・等温過程
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閉鎖系の熱力学第一法則 ''Q'' + ''W'' = Δ''U'' から、系が得た熱量''Q''と系になされた仕事''W''の和は、終状態と始状態の内部エネルギー差Δ''U''として表せることが分かる。熱量''Q''と仕事''W''はどちらも、変化の過程に依存する非状態量であり、それぞれ単独では、一般には状態量の差で表せない。しかし、始状態、終状態、および変化の過程に適当な条件を付けると、熱量''Q''と仕事''W''のそれぞれを、ある状態量の差として表せる。このような変化の過程を考えると、計算が楽になり、理論の見通しが良くなる。ここでは、化学熱力学で重要な4つの過程を学ぶ<ref group="注釈">高校で物理を学んだ読者は、[[高校物理_熱力学#定積変化と定圧変化と等温変化と断熱変化|(理想気体の)定積変化と定圧変化と等温変化と断熱変化]]とは定義が違うことに注意。また、高校物理を学んだ人は、ついつい「等温過程ではΔ''U''=0」と間違えがちなので、それにも注意。化学熱力学では化学反応・三態変化・実在気体を扱うので、等温過程でもΔ''U''=0とは限らない。</ref>。 この章では、系になされる仕事を、体積変化に伴う仕事に限定する。 == 定積過程 == ;定義 :変化の途中で系の体積が一定に保たれる過程。 ;仕事 :<math> W = 0 </math> ;熱量 :<math> Q = \Delta U </math> 始状態と終状態の体積が同じなのはもちろんであるが、変化の途中でも体積は変わらない。 == 断熱過程 == ;定義 :変化の途中で熱がまったく出入りしない過程。 ;熱量 :<math> Q = 0 </math> ;仕事 :<math> W = \Delta U </math> 「熱の出入りが差し引きゼロの過程」を断熱過程とは呼ばないので注意。 == 定圧過程 == ;定義 :外圧が一定で、かつ始状態の圧力と終状態の圧力が外圧に等しい過程。 ;仕事<ref group="証明">一定の外圧を''p''<sub>ext</sub>とすれば、外界がした仕事は ''W'' = −''p''<sub>ext</sub>Δ''V'' である。始状態の圧力と終状態の圧力が外圧に等しいので、''p''<sub>ext</sub>Δ''V'' = ''p''<sub>ext</sub>''V''<sub>終</sub> − ''p''<sub>ext</sub>''V''<sub>始</sub> = ''p''<sub>終</sub>''V''<sub>終</sub> − ''p''<sub>始</sub>''V''<sub>始</sub> = Δ(''pV'') より与式を得る。</ref> :<math> W = \Delta(-pV) </math> ;熱量 :<math> Q = \Delta (U+pV) </math> ''p''は系の圧力、''V''は系の体積である。変化の途中の系の圧力は一定でなくてもよい。'''外圧が一定'''であればよい。 === エンタルピー === 状態量''U''+''pV''は化学熱力学で頻繁に使われる状態量で、エンタルピーという名前が付いている。エンタルピーを表す記号は''H''で、単位は内部エネルギーと同じくジュール(J)やキロジュール(kJ)である。 ;エンタルピーの定義式 :<math> H = U+pV </math> エンタルピーを使うと、定圧過程で系が得た熱量は、 :<math> Q = \Delta H </math> と簡潔に書ける。定圧過程では、内部エネルギー''U''よりもエンタルピー''H''を使うほうが便利である。 == 等温過程 == ;定義 :外界の温度が一定で、かつ始状態の温度と終状態の温度が外界の温度に等しい過程。 変化の途中の系の温度は一定でなくてもよい。系の周囲にあって系と熱量''Q''をやり取りするものの温度、すなわち'''外界の温度が一定'''であればよい。「系の温度が一定の過程」は、条件がきつ過ぎて、化学熱力学ではあまり役に立たない。 他の3つの過程とは異なり、等温過程という条件だけでは、熱量''Q''も仕事''W''も状態量の差としては表せない。 === 等温定圧過程と反応熱 === 例えば、塩酸とNaOH水溶液の中和反応のような発熱反応では、反応直後は系の温度が上昇する。実験を室温が一定の条件下で行い、反応直前の状態を始状態、系が熱を放出して反応直前の温度に戻った状態を終状態とすれば、この過程は等温過程となる。反応が一定の大気圧下で起こった場合、この過程は定圧過程でもある。この等温定圧過程で系から放出された熱量が、高校化学で学んだ反応熱''Q''<sub>高校</sub>に相当する。定圧過程で系から放出された熱量は、反応に伴うエンタルピー変化Δ<sub>r</sub>''H''に等しいから、高校化学で学んだ反応熱''Q''<sub>高校</sub>はΔ<sub>r</sub>''H''の符号を変えたものに相当する。 == 準静的な等温過程 == この節は、初めて読むときはスキップしてよい。 ;定義 :[[化学熱力学/準静的過程|準静的]]な等温過程。 ;準静的過程で系が得る熱量 :<math> Q_\text{rev} = \Delta(TS) </math> ;準静的過程で系になされる仕事 :<math> W_\text{rev} = \Delta(U -TS)</math> ''T''は絶対温度、''S''は[[化学熱力学/エントロピー|エントロピー]]である。この過程は「系の温度が一定の過程」よりもずっと条件がきつい過程で、ほとんど実現不可能な、仮想的な過程と考えるのがよい。 == 注釈・証明 == === 注釈 === <references group="注釈"/> === 証明 === <references group="証明"/> [[カテゴリ:熱力学]]
化学熱力学/定積過程・断熱過程・定圧過程・等温過程
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